社会人生活で役立っていると感じる大学での学び~2023年度卒業生 熊谷さん~

こんにちは。2023年度に人文学部心理・人間学プログラムを卒業した熊谷と申します。人プロの活動にも参加していた者です。ずっとこの記事を書こうと思っていたのですが思った以上に多忙&疲労でして、入社から3か月たってようやく執筆に至りました。この記事では今私がどのような仕事に就いたのか、そして仕事で活かされていると思う大学での学びについての2点について書いていきます。さしずめ学部OBOG紹介の第一弾といったところでしょうか。このカテゴリを充実させたいので、関東圏に住んでいる学部OBOGは今後私から届く取材依頼を快諾してくれると嬉しいのですが….

仕事について

私は東京・恵比寿に本社があるアセアン・フィナンシャル・ホールディングス株式会社に新卒入社をしました。この会社は大きく①証券②海外金融③国際人材の3部門に分かれています。私は③国際人材事業の営業職として働くことになりました。

現在の日本は少子化の一途をたどっており、国内の労働力だけでは現況の経済活動を支え切ることが出来ません。高齢者が増え、生産年齢人口が減っているのです。多くの企業で日本人を採用することが困難になっています。

私の仕事は、そうした人手不足の企業様に「外国人材」を提案することです。国ごとによって異なる宗教・民族性を考慮し、また日々変化する関係法令(主に入管法)を把握しながら提案を行います。

一口に「外国人材」といっても、多種多様な働き方が存在します。例えば、コンビニの店員をしている外国人と、オフィスでパソコンを叩いている外国人、食品工場でライン作業に従事している外国人はそれぞれ異なる形態で働いています。所持している「在留資格」が違うのです。

例えば「特定技能」という在留資格があります。これは、日本で人手不足が顕著であると認められた12分野において、一定の日本語レベルと技能水準を保持していることを条件に発行される資格です。

特定技能の職種 – 特定産業分野12業種(旧14業種)について – グローバル人財センター (aseanfh.com)

このほかにも技能実習、特定活動、技術・人文・国際業務(通称:技人国)などの在留資格があります。それぞれの在留期間や従事できる仕事内容を頭に入れた上で、企業様のもとへご提案に伺うのが私の仕事です。

役立っている(というか影響を及ぼしている)大学での学び

「人文学は役に立たない」だなんてよく学部生のころはよく言われたものですが、確実に影響を及ぼしていると感じる点はいくつかあります。以下、箇条書きスタイルにて述べさせていただきます。

①外国語の学習環境

私の頃は、人文学部の1年生は週に4回初修外国語の授業がありました。さらに希望者は4年間通じて外国語を学ぶことが出来、私は中国語をずっと勉強して副専攻認定を取得しました。新潟大学には留学生も多く、その学習環境は「外語大並み」と、とある先生に言わしめたほどです。

学んだ中国語を直接使う機会はまだありませんが、中国も日本にとって最大級の人材提供国である事実を踏まえればいずれ使うこともあるでしょう。

今の職場には5か国の外国籍の同僚がいます。飛び交う言語は日本語よりも知らない言語の方が多いです。そうした環境に特に違和感なくなじめたのは、なんだかよくわからない中国語を必死に耳で聴きとろうとした授業での経験が影響するところが大きいでしょう。

②表現プロジェクト演習でのグループワーク

確か2年生の後半あたりから表現プロジェクト演習という高年次教養科目を履修することが出来たと思います。この授業は先生によって色が強く出て、いわゆる机の上でテキストをひらく「お勉強」とは一線を画すスタイルの授業が多かったので私は好んで履修していました。

当時は「ミュージックビデオを作ったり英語劇を朗読したりでたのしいな」と幼稚な感想しか持たなかった私ですが、今考えれば、この授業は学生のコミュニケーション力の向上を意図していたのではないか?と推測します。ややもすれば家にこもって読書しがちである私にとって、書を捨てて町に出て人と話す訓練は必要なものでした。

表現プロジェクト演習は、多くの場合グループを組んで半年くらいの長いスパンで活動や制作をします。どんなものを作るか、誰がいつどこで集まるかなど調整が必要です。一回も喋ったことが無い人ばかりの班になることもあります。正直気まずいなと思うこともありましたが、コミュニケーション力を養う良い機会になりました。

多くの人がそう考えるように、営業職はコミュニケーション力を必要とします。ただ喋り倒すだけでなく、多くの引き出しの中から「何を言い、何を言わないか」を決めます。相手の話を聞き、多少抽象的な話題になっても正確に理解することも求められます。人との関わり方を間接的に学ぶことが出来た表現プロジェクト演習に感謝しています。

文章が長くなってきたので、今日はこのくらいにします。再度言いますが、シリーズ「学部OBOG紹介」を充実させたいので卒業生の皆さん良かったらお話をお聞かせください。

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