皆さんこんにちは! 「ボーフム便り Hallo aus Bochum!」第6回は留学生同士での留学の振り返りを会話形式でお届けします。ネットで調べても出て来ないようなリアルな話、意外な話など盛りだくさんですのでぜひ最後までご覧ください!
記事の目次
帰国直前の感想
鈴木:複雑。もちろん日本の友達とか家族には留学してる間ずっと会いたいとか話したいとかは思ってたけど、 日本に帰るのが待ち遠しいかと言われると、そうでもない。何をしてても絶対あと3週間すぎで日本に帰る日が来るから、今はドイツを堪能しておこうっていう感じ。
今川:留学来てすぐのころは本当にずっと帰りたいって思いが結構あったけど、今となっては、というか4月くらいからは、もう少し帰国日伸ばしてもよかったかなと。
鈴木:いざ終わるってなるとね!
今川:ドイツでできた友達と離れる寂しさもあって。帰りたいけど帰りたくないが意外とあって、留学を楽しめてる証拠なのかなとも思います。
思い出
鈴木:特定のメモリーじゃないけど、やっぱりいろんな人と知り合って友達になれたのが一番良かったかな。すごい言い方が機械的だけど、ドイツの大学は日本の大学よりも人間の種類にバリエーションがある。同い年でも結婚してる人もいるし、年齢も違うし、見た目にも個性が出てたりするし、 そういう人と話ができたのが一番良い体験だったと思うな。
今川:激しく同意です。日本に来る時には会おうねと約束している友達もいます。イベント的なことで言うと、いろんなクリスマスマーケットに行けたことがよかったです。留学前から目標にしてたので。
鈴木:逆に悪い思い出は?
今川:悪いことか、いっぱいあるな。私はトラブル編と題して一回記事も書いたことがあるけど、それ以外だと、日本より圧倒的に多いストライキとか。
鈴木:あー、ちひろちゃんは私よりも確かにトラブルに遭ってたイメージ。悪い出来事から学んだことはある?
今川:そうですね、大変だったけど、良い経験だって今となっては言えるし、何より人とのご縁は大事にしなきゃと改めて思いました。ストライキの時は、車を持ってる友達にお願いしたし、飛行機のストライキの時は、友達と一緒に調べて解決したり、とにかく動けばなんとかなるってことも学びました。
よく使ったドイツ語
今川:教科書に出てこないものだと、Wirklich⁉よりEcht!?(とちらも「本当!?」の意味)の方がたくさん使う。
鈴木:言いやすいよね。
今川:そうそう。あと、Ich weiß nicht.も悪くないけど、Keine Ahnung.(どちらも「分からない」の意味)の方が、よく聞くイメージはありますね。
鈴木:あ、あとEgalね!どっちでもいい。なんでもいいっていう意味の。じゃあ好きなドイツ語はある?
今川:私は言葉や単語っていうよりは文化に近いんですけど、別れる時にSchönes Wochenende!(良い週末を)とかSchönen Abend!(良い夕方を)って言うのが好き。
鈴木:親切な店員さんはめっちゃ優しく言ってくれるよね。
今川:そうですね。ドイツでは当たり前だから、すごい素敵だなって思います。
ルール大学ボーフムのいいところ
鈴木:やっぱりJapanologie(日本語学科)があるところが一番かな。留学先に選べる大学の候補は他にもあったけど。ボーフムに決めたのも、Japanologieがあるからっていうのが決定打だったし。結果的に、 日本語を勉強してるドイツの友達がたくさんできた。というか、ドイツ人の友達とはほとんど日本語の授業とか勉強、タンデムを通して知り合ったから、 友達を作るのにすごくいい接点になったと思うし、 みんなすごい一生懸命日本語を勉強してて、それが私もドイツ語頑張ろうっていうモチベーションにもなったし。
今川:私もそうですね。私は新潟大学でタンデムをやっていた学生がボーフムのJapanologieの学生だったのが留学の大きな動機になりました。実際に来てみて、タンデムや学科のイベントでたくさんの人と話せるのがいいですね。日本語学科には、初級から上級までたくさんの学生がいるので、どのクラスの子と話すかによって、色んなバリエーションで勉強できるのもいいところですね。
ドイツでおすすめの場所
鈴木:一番好きだった都市はカールスルーエですね。ボーフムに近いところだと、ミュンスターやアーヘンも好き。たぶんみんなが想像するドイツの雰囲気があったし、大聖堂や教会もすごく良くて。
今川:私はハイデルベルクが一番好きかな。街並みが統一されてて可愛くて、ハイデルベルク城から見た時にすごいなと思いました。ドレスデンもおすすめ。大規模なクリスマスマーケットに圧倒されますし、ドイツらしい歴史的な建物や美術館もたくさんあります。ケルン大聖堂は、迫力はすごい。駅に近いっていう驚きと、装飾のいかつさもすごいです笑。正直レストランは街の規模に関係なく結構お高めなので、あんまり行ったことないですね。
鈴木:そう、スーパーの野菜とかは安いのに、外食になるとすごい高いんだよね。
今川:そうなんですよ。だから難しいけど、Currywurst(カレーソーセージ)とかポテトとか、軽食を食べるところはたくさんある。ケバブをやっぱりよく食べたかも。 大学の近くにも三か所くらいケバブ屋さんがあるし、どこにでもあるから。
鈴木:そうだね。ケバブはね、日本で再現するの難しいから、食べておいた方がいい!
今川:ケバブを食べる時は口を大きく開けた方がいいですよ。それかラップの方頼んじゃうか。トルティーヤの皮に包まれてる方が食べやすい。あとは店によって辛さがかなり違う。従業員によっても辛いソースの量が違うことも。同じ店に3回行って、1回目と2回目は辛いソースありで全然いけたのに、この前行った時だけめっちゃ辛くて、汗かいちゃって笑。
鈴木:あと、私は何回も同じケバブ屋さんに行って、自分のドイツ語が通じるかどうか、店員さんとコミュニケーションを取れるかどうかを試してた。 カフェでオーダーするときって、短ければIch hätte gern …(…をください)で終わり。だけど、ケバブって大体、このケバブください、ソースどうしますか、野菜どうしますか、っていうやり取りがあるから、ちょっとだけ複雑で、コミュニケーションが必要なの。だから、それで自分を試してた。で、うまくいった時のケバブ美味しいから笑。
留学前にできること
鈴木:やっぱり交換留学のメリットを活かすんだったら、いま新潟大学に来てるドイツの学生、特に自分が留学する大学の友達と繋がっておくことはすごい大事。自分が留学するときにその友達が助けてくれるかもしれないし、もちろんドイツ語の勉強にもなる。あとは、やっぱりコミュニケーション系の授業をとること。コミュニケーション・ドイツ語でもいいし、FL-SALCとかでもいいんだけど。スキルが身に付くかどうかよりも、その外国語を話すこと自体に慣れるのが大事だと思う。それから、ある意味これは一番大事だけど、単位をとっておく。留学中気にしなくてもいいくらい単位をとっておくのが理想。
今川:そうですね。 あと、違う国から来た留学生と関わる時はどうしても英語で話すことが多いので、英語を話せた方が気持ち的に楽かな。もしドイツ語がお互い通じない時に英語で意思疎通できると安心。周りが英語で喋ってて置いてかれてたこともあったし。
鈴木:私もあった。興味があるなら英語を勉強しといた方がいいかも。私はドイツ語の授業の時に 話し合う時間があって、当然ドイツ語の授業だからドイツ語で話し合うべきなんだけど、やっぱり英語で盛り上がる人たちがいて嫌になっちゃったから、英語に興味があってまだ手を出していないんだったら、やったほうがいいと思います。
今川:ドイツ語で文法用語を知っておくってことも大事。3格や4格と呼ぶことはないので、Dativ(ドイツ語の3格)、Akkusativ(ドイツ語の4格)、Nebensatz(副文)、Präposition(前置詞)とか。
鈴木:大事。普通の単語の意味と違って、文法用語の意味って「 こういうもんだから!」としか先生も説明しようがないから、わからないと本当に混乱すると思う。勉強済みの文法で混乱するのはもったいないから、文法用語とかは知っておいた方がいいね。
今川:あとはそうだな、わからない時に聞く表現、Wie sagt man … auf Deutsch?(ドイツ語で…は何と言いますか)とか、そういう表現が言えると便利かも。それから、自分の地元とか大学の話、日本の文化を簡単な日本語やドイツ語で説明できると、やっぱり話の幅が広がるかな。
英語圏以外に留学する理由
鈴木:大前提として、私は英語よりドイツ語の方が確実に好きだからです。好きなこと自体にはあんまり理由がなくて、ただ、音の雰囲気とか、 あとは単語の構成とかが好きで、勉強に対するモチベーションもあったし。
今川:留学の話をすると、英語圏じゃないんだって驚かれることも結構ありますね。 英語には飽きたわけじゃないですけど、完璧には話せないけど、最低限の会話はできるしなと思って。ドイツ語は習ってまだ2、3年なので新鮮。
鈴木:じゃあ、結構ポジティブなチャレンジ精神で。
今川:確かにそうですね。人とかぶりたくないタイプっていうのもあって笑。英語圏は留学じゃなくて旅行でもいいかっていう感覚が強くて。ヨーロッパに住んでみたいっていう漠然とした考えがあって、ドイツに決めたって感じですね。
鈴木:やっぱり大学で勉強を続けてたからっていう部分も大きいよね。私は英語の授業を正直そんなに取ってなかった。
今川:インテンシブの授業でドイツ語楽しいって思って、その感覚がずっとあるから。
鈴木:やっぱりドイツ語が好きなのが一番の理由だね。
留学を考えている人に向けて
鈴木:留学に興味があったり、悩んだりしている人で、もし、金銭的にとか条件的に行ける状況にあるなら、行くべきだと思います。というのも、私は2020年度に入学して、ちょうどコロナ真っただ中だったんです。留学なんて頭にすらないレベルで、ありえない感じだったから、ドイツ語を習い始めた時も、 留学を目指して勉強しようなんて思いもしなかった。だから、留学っていつでもできるものじゃないんですよ。今行けるなら行っちゃえ、と思います。
今川:確かにそうですね。
鈴木:めっちゃ運がいいことだから、今行ける状況にあるのは。チャンスを逃すな!
今川:私も同じです。ちょっとでも惹かれるものがあるんだったら、やったらいいと思います。私は中学高校であれやっとけばよかったなって思うことが多くて、大学では少しでもそれを減らしたかったから、やりたいことを全部やりたいと思って、留学を決めました。海外は危ないって思う人も多いと思いますけど、それはもう考えたらきりがないですよね。英語は義務教育で絶対通るけど、第二外国語は通らない人もたくさんいて、自主的に勉強するしかないから、ご縁だと思う。短期のプログラムもあるし、長期といっても半年か一年か選べるし。
鈴木:そうそう、迷ってるなら短期で行ってみればいいよね。
今川:確かに。他の日本人留学生が自分よりドイツ語を喋れていて落ち込むこともあったんですけど、比べすぎるのもよくないかなと。逆に、お互いに学べることも、日本人同士だからこそ助け合えることもたくさんありますからね。あとは、1年留学行ってもきっちり4年間で卒業したい、私みたいな考えの人がいたら、出来なくはないけど、結構ハードだってことは言っておきたいですね。
いかがでしたか? 予想以上に話が盛り上がり長くなってしまいましたが、楽しんで読んでいただけたでしょうか。留学に行く方は、目一杯楽しんでください。慣れない場所で頑張りすぎるといつか壊れてしまうので、楽しもうという気持ちと健康を最優先してくださいね。
では、また次回お会いしましょう!