達成感と解放感~ドイツ・ビーレフェルト大学留学報告記

みなさんこんにちは、ドイツ言語文化学分野3年の大平と申します。この夏、約3週間ドイツのビーレフェルト大学に短期留学に行ってきました。ここでその体験を紹介したいと思います。留学を検討している皆さんのお役に少しでも立てれば幸いです。

留学することを決めた理由

まず、以前から漠然と、海外に留学してみたいという気持ちがありました。私は今回の留学まで日本を出たことがなかったので、外国での生活はどんなものなのだろうという興味が強かったです。それに加えて、私は大学に入ってからドイツ語を始めたので、ドイツ留学という選択肢が浮びました。今後の卒論にも役立つし、「ドイツってどんな感じなんだろう」という興味が大きくなったことが大きな理由です。

コースについて

  • ビーレフェルト大学
  • 2023年8月7日~31日
  • ホームステイ

私が配属されたクラスでは、週3回のドイツ語コミュニケーションのクラスと、週2回の専門分野のクラスがありました。いずれも午前中で授業が終わり、午後にはArbeitsgemeinschaft(AG)と呼ばれる様々なグループワークのような活動があり、その中から2以上を選ぶ形でした。午後はフリーの日もあれば、AGに行く日もありました。夕方にはさらにゲーム大会や飲み会が企画され、週末は遠足があり、本当に充実したプログラムだったなと感じています。全体でどのくらいの参加者がいたのかははっきりしないですが、日本人は新潟大学から参加した4人のみでした。

クラスの様子

コミュニケーションのクラスは、15人くらいのクラスで、主にドイツの文化について学びました。典型的なドイツの文化(電車の遅れやスーパーのレジの速さ)について動画を見て、それについて感想を発表したり、グループに分かれてポスターやクイズを作り、みんなの前で発表したりしました。最後の授業では食べ物を持ち寄ってパーティーをしました。とても楽しい雰囲気のクラスで、主にここで友達を作ることができました。

専門分野のクラスの規模は20人くらいで、ドイツ語でのレポートの書き方を学びました。最終的に自分のテーマについてポスターにまとめ、プレゼンするという形になりました。プレゼンのために日本ではパワーポイントで資料を作っていたのですが、ここではポスターを作りそれを見せながらの発表でした。面白かったですし、いい方法だなと思いました。先生の説明から調査、資料作成まですべてドイツ語だったので、非常に骨が折れましたが、一つの成果物が手元に残り、終わった後は達成感と解放感に包まれ、とてもやりがいのある作業だったと思っています。

▲1週間のスケジュール(例)

学校生活

 私がお世話になったビーレフェルト大学には、とてもすばらしい学食——ドイツ語で、Mensa(メンザ)——がありました。ビュッフェ形式で、安くおいしいランチを食べることができました。(新大の学食とは正直比べ物になりませんでした…)。大学内にはカフェがいくつかと書店、スーパーなどがあり、学生が何か食べたり飲んだりしながら伸び伸びとおしゃべりしているのが印象的でした。

お昼ご飯を食べた後は、みんなで芝生の上でボール遊びをしたり、スーパーに行ったりと、自由に過ごしました。AG(グループワーク)がある日はそれに行きました。参加者は最低2つのAGに参加しなくてはならず、私は1つはドイツでの思い出をパワーポイントにまとめて発表するAG、もう一つは映画のセリフを覚えて実演するAGに参加しました。

ホームステイとドイツでの生活

 ビーレフェルトは思っていたよりもずっと良い町でした。中心部では古くからの美しい街並みを楽しむことができ、ビアガーデンやアイス屋さん、軽食店がたくさん並んでいました。休日にはショッピングを楽しむ人でにぎわっていました。

私のホストファザーは学校の先生で、とても親切な方でした。ご飯は基本的に自炊で、スーパーに行っていろいろ食材を見るのが楽しかったです。ときどきバーベキューを準備してくれて、一緒に話をしながら食べました。ドイツのソーセージはとても美味しかったです。

彼は基本的に放任主義といった感じで、自由にさせてくれたのですが、とてもさばさばしている印象を受けました。英語でのコミュニケーションになりましたが、話す内容が、思ったことを日本よりもオープンに言うという印象で、コミュニケーションも日本と全く違うなあと感じました。これはホストファザーだけでなく、ドイツ人やコース参加者全般に対しても結構感じました。

週末には、大学のプログラムとして、またプライベートでも日本人の友達と、遠足に行きました。例えば近場にドイツ第三の都市ケルンがあり、ケルン大聖堂とライン川の景観を楽しみました。

また、コースが終わった後、一人でベルリンに旅行に行きました。3泊したのですが、その国際的空気と分断の歴史を肌で感じることができました。自分がドイツに慣れてきたころだったというのもあるかもしれませんが、ベルリンはあんまりドイツという感じがしなくて、いろいろな人がいました。東京のようにごみごみした感じはなかったですが、良くも悪くも雑多な印象を受けました。

感じたこと

留学に行ってとても刺激を受けました。例えば同じクラスには母語の他にドイツ語も英語もペラペラの人がたくさんいて、その人たちと円滑なコミュニケーションができず残念だったこと。その他いろいろなことを見て、感じました。それらは日本にいるだけでは感じることができなかっただろうもので、さらに「日本はどうなんだろう」「日本はこのままでいいんだろうか」という客観的な視点を持つことができました。こうしたさまざまな気づきを得られたことがとても有意義だったと感じています。(あと、飛行機の乗り継ぎがうまくなりました。)

留学に行くか悩んでいる方もいるかもしれませんが、ただの観光とは違い、その土地に一定期間住み、そこで出会った人と会話して、実際に自分で体験することで見えてくる世界があると思います。もし条件が許すなら、ぜひチャレンジしてみてください!

この記事のタグ