学外との相互交流への発展に~新潟大学サポーター倶楽部報告会・情報交換会

英語学の島守です.2025年12月2日(火)に本学内(五十嵐キャンパス中央図書館OMNライブラリーホール)で開催された「令和7年度 新潟大学サポーター倶楽部報告会・情報交換会」に参会いたしました.その中で,「人プロ」の活動と広報活動の在り方について発表させていただきました.本稿では,今回の発表に至った経緯と予稿の一部を掲載し,ご参加くださった方々との懇親会にて伺ったご意見などをご紹介いたします.

「人プロ」を対外発信~新潟大学サポーター倶楽部報告会

「新潟大学サポーター倶楽部」は,新潟大学の教育・研究に支援してくださる企業・個人様方から寄付を募り,「学生の修学支援」「国際交流への支援」「教育施設整備への支援」といった事業を推進していくものになります.これは在学生の学修や課外活動だけでなく,新入生や博士課程学生への奨学金などにも活用されています.

趣旨目的
地域の中核を担い国際社会で活躍する人材を輩出するため,新潟大学が行う「学生の修学支援」「国際交流」「教育施設整備」の推進について,「新潟大学基金」への寄附を通した支援を行うとともに,会員への情報発信により新潟大学と会員及び地域社会の連携と発展を目指す.

https://www.niigata-u.ac.jp/university/donation/supporters/ (Final Access: 2025/01/01)

この支援基金事業の報告会が毎年開催されており,今年度はサポーター連携推進室より筆者:島守にお声がかかり,話題提供をさせて頂くことになりました.今回の話題提供では「人文学部の今を発信する学生団体『人プロ』の活動」と題して発表いたしました.

題目設定の背景では,次の2つの事柄について考えていました.第一に,サークルでもなく(選出制の)学生自治会でもない,当方の学生主体の活動を通して人文学部(ひいては世の文学系統学部)の現在を知ってほしいと思ったことです.第二に,当方の活動に参加する学生自身にとっての意義(内向きの目的)に関する考えを整理してみようと思ったことです.筆者を含む参加学生が活動を経て得られるものは何だろうとリフレクションすることにつながります.今回は教育学的な視点から「汎用的能力」「異分野協働」「自己理解」などをキーワードに論考を試みました.

▲因みに,司会は人文学部社会学分野の学生Sさんがご担当下さいました.ありがとうございます.

発表後の質疑応答では,県内の企業様より1件ご質問を頂きました.「広報の在り方を探りながら発信している点に関連して,今の学生は就職活動において企業にどのような情報を発信して欲しいと思っているか?」とのことでした.県内の企業を中心に,学びの幅の広い人文学部の学生がどのような様子なのかが気になっているのを感じました.

とりわけ,学生が求めていることを知ってもらうためには,やはり学生の様子にフォーカスした情報を提供することです.「君の声を聴かせて」のマインドで,今後は何らかの方法で就職活動やキャリアの様子も発信できればと思います.

また,別途コメントにおいても,活動実績や成果を数値的・統計的に考察することをご提案頂きました.オープンキャンパスや新入生ガイダンスなどを利用してアンケートを行っていますが,具体的な分析・修正提案は実施してきませんでした.統計法やICTの活用法などを学生同士で学ぶ機会にもなると思うので,今後の方針として検討したいところです.

15分という短い時間でしたので,想定していた内容を大幅に省略してお話ししたので,伝わりづらさが残ったことは否めません.発表者である筆者も経験の積み重ねが必要だと感じました.それでも,ご質問やご感想をお寄せいただいた参会者の皆様に御礼申し上げます.

▲サポーター連携推進室よりご提供いただいたのでこちらに掲載します.

発表予稿集より抜粋

発表概要

本発表は,新潟大学人文学部の学生団体「人文学部学生プロジェクト」(「人プロ」)の活動とその意義を,自身の経験と教育学的視点を踏まえながら紹介する.「人プロ」は,人文学部の多様な専門分野や学生生活の実態を,高校生・在学生・教職員・企業など多様なステークホルダーに向けて学生の視点から発信することを目的として,2013年に発足した.具体的な活動として,学部公式サイトとは別に運用しているブログでの学部リポート,学部広報用動画の制作,オープンキャンパスでの企画・運営への参画の3点を中心に取り組んでいる.

ブログや動画では,授業・ゼミ・留学・就職活動などを継続的に可視化することで,「映え」優先のイメージに偏らないリアルな大学生活を共有し,高校生の進路選択や在学生の履修・キャリア形成に資する情報提供を行っている.さらに,「人プロ」は学位プログラムや学年の枠を越えた学びと交流の場として機能しており,企画立案・取材・執筆・編集・対外発信といったプロセスを通じて,参加学生のコミュニケーション能力や協働スキルといった汎用的能力の涵養にも寄与している.

これらの点から,「人プロ」の活動は,学部の特色を社会に発信する学生広報団体であると同時に,学生の主体的な学びと自己理解を促進する「第二の人文学コミュニティ」として位置づけられる.

発表冒頭

人文学部と聞いてどのようなことを想起するでしょうか.本学では人文学部と呼んでおりますが,他大学では文学部とも呼んでいることもあります.統計的調査を行っていないので,個人的な経験・見聞きといった内省によるものですが,「たくさん本を読んでいそう」「将来,何になるん?」「あそ文学部」などと世俗的に言われることがあります.

実際,人文学部・文学部が守備範囲とする領域は,いわゆる「文学」に限定されることはなく,伝統的な分類では「文・哲・史」から整理されてきました.この「文・哲・史」の分類は現行の学位プログラム「心理・人間学プログラム」「社会文化学プログラム」「言語文化学プログラム」に概ね対応しています.

それでも,人文学部の専門分野における幅広さに気づくのは内部を知る学生および関係者に限られているのかもしれません.本学部を志願する高校生が受験前に学部の特異性について理解したり,在学生が本学部の科目の履修を検討したり,企業が本学部の学生の様子がより深く知ることができたりするための発信活動の必要性がここにあると考えます.[…]

参考文献

  • 伊藤嘉高 (2023)「学生による情報発信「新潟大学人文学部学生プロジェクト」にご声援を!」,伊藤嘉高(地域社会学)研究室,https://ito-hiro.sakura.ne.jp/education/1556/ (最終閲覧日:2025/11/04).
  • 大仁田香織 (2021)「大学における学生支援と組織の在り方:中退防止事例の研究」『現代社会文化研究』,72巻,1-10,新潟大学大学院現代社会文化研究科.
  • 山村麻予・木村貴彦・福田早苗 (2024)「インタビュー調査からみた学生参加型広報活動に対する学生の意識」『総合福祉科学研究』,16号,1-8.

大学の在り方を考える~新潟大学サポーター倶楽部情報交換会

情報交換会では,学生・教職員・サポート会員でグループを編成し,座談会形式で意見交換を行いました.サポート会員3社の方々に理学部生と副学長の福島治先生(心理学)が同席したテーブルでお話ししました.

▲提供されたお茶菓子です.大学生協でも販売されているようです.

ご参加された企業の方々は,キャンパスの施設を含めて変わりゆく新潟大学の様子について関心を持っておられました.大学教育や就職活動といったことだけでなく,学生側の個々の学修・研究のことまで共有でき,大学が社会と関わって教育・研究が行われていることを改めて理解しました.以下,議論した話題の概要を示します:

◆学生のインターン・就職活動
学生がインターン情報を得る方法とインターンに参加する方針
大学で学んだ知識・技能を活用できる就職とは?
新潟大学生は新潟で就職?それとも地元に戻る?
国際的なビジネスでも対応できるために必要なスキルを大学で習得する

◆大学院進学の促進
企業が修士号・博士号を取得した学生をリクルーティングする上で求める人材
新潟大学の博士後期課程の定員を今の3倍にする方針!

◆今どきの大学教育
授業や自主学習における学生のICT利用状況と活用方法
生成AIとの向き合い方(教員側からすれば生成AIを使って処理できるタスクを課すのか?)
コロナ禍を経てゼミや学生の研究活動・学会活動とアクティブラーニングの実際

今後は、学外発信から、学外との相互交流へと活動を発展させていきたいと思います.
新潟大学HP掲載のリポートもご覧ください.

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