「人プロ」2024年度コーディネーターの島守です。この度、コーディネーターを交代することになりました。研究や実習などで多忙になることが想定されることが大きな理由ですが、今後もできる範囲で携わっていきたいと思います。
そして、2025年度は中村快が担当します。今回は交代の挨拶を兼ねて二人で対談しました。お互いの研究内容や大学生活を踏まえて「人プロ」の活動についても話しました。
記事の目次
専攻している分野や大学の学修について
島守・英語をやりたい、それだけでした
中村:島守さんは言語文化学プログラムの言語学が専門ですけど、そもそも英語学に興味を持った理由は何ですか?
島守:何だろうね。英語をやりたい、それだけでした(笑)。でも、英語を勉強したいと言ったときに、語学(コミュニケーション)としてやりたい人もいれば、言語そのものをやってみたい、文化・文学をやってみたいという人もいます。私の場合、文法(言語能力)が面白いなと思っていました。(明示的に)文法に触れる前からコミュニケーションをしていた背景があって、中学生になってから英文法には規則があったんだ!と気づき、腑に落ちました。
中村:もともと英語に興味があって、何となく使っていた英語のルールに迫りたいというのがきっかけということですか。
島守:そう。「何となく」という曖昧さが文法によって、パーッと明確になった気がします。このことを高校生のときに英語の先生に話したら「おまえは英語学だ!」って言われたから英語学か!と思って、ずっと考えてきました。
もともと本を読むのは好きじゃなかったので、英文学をやりたいとは思っていなかったですね……ここまでの境地になると、何をやっているのか分からなくなりそうなんだけど、根本的なことは英文法の不思議さを感じたことです。
中村:中高だと、こういうもんだと教わっていた英語の文法を、大学ではどうしてそうなるのかというところまで迫れることですね。
島守:そうだね。中高の英語科の目的は現実社会でのコミュニケーションにある。一方で学問対象となると、そういうもんだ!では研究にならない。よく高校生で「大学で英語を勉強したい」と言う人もいますが、語学目的か研究目的かは大きな違いだと思うね。
中村・アクティブに色々な活動ができる人文地理学
島守:(中村くんは)人文地理学を専攻しているようだけど、授業や実習の魅力を語ってください。
中村:一つ上げるとするならば、学内での勉強と学外でのフィールドワークがいい感じに組み合わさっていると思います。具体的にどういうことかと言うと、もちろん、大学の中で講義のように先生から色々なことを教わるということもあるけれども、屋外に出て自分の目で確かめるようなフィールドワークがあるのは魅力かと思います。
一方、屋内での勉強に関しても、いわゆる専門書をただ読むのではなく、実際にパソコンやArcGISというソフトを使って、地図で分析をしたりするなど、アクティブに色々な活動ができるということは、かなり楽しいと思っています。
島守:実習は、2024年度はどこに行ったの?
中村:3回あって……
島守:3回も行ったんだ!
中村:いわゆる巡検という形で、新潟市中央区、阿賀野川流域の地域、長崎です。
島守:阿賀野は新潟県?(編集者註:新潟4年目なのに新潟の地域のことを知らない恥ずかしい人です)
中村:そう、新潟県。「ヤスダヨーグルト」や瓦が有名な保田や、「狐の嫁入り」で知られている津川に行きました。
島守:あーダブルホームの活動で聞いたことある!卒論はArcGISを使って地形について研究するの?
中村:必ずしも地形を分析するためだけに使うわけではない、というわけではないけど、地理学では視覚的に情報を入れることが大事なので、結果的にレポートや論文等に、視覚的にぱっと見て分かるような情報を入れることは基本かな。
島守:なるほどね。人文地理学、全く知らない分野でしたが、イメージが持てました。

大学生活と人文学部について
島守・授業外で人文学の学びがつながると面白い
中村:島守さんは、講義受けたり課題をやったりするとき以外に英語学を考えたりしますか?大学生はそこまで学問を考えていないと厳しいですか?
島守:えー授業外で考えることね……例えば、語学目的で英語を勉強することもあるけど、語学目的で勉強しているときに「あ!これc-commandが関係してる!」「これは束縛理論が……」という知識は不要です。ただ、読む問題文の中には「あれ?この構文、なんか奇妙だなあ」という題材が見つかることもあります。
自主的に英語の語学的な知識を深めるために、『英文法解説』(1991・江川泰一郎)を読んでいます。これは生成文法や研究目的で書かれた本ではないんだけど、読みながら研究の題材を集めています。
中村:好きな学問だからこそ、その内容が他でも出てくるのは、ある意味職業病のような感じですけど……じゃあ逆に、プライベートで英語やりたくなくなったり休憩したくなったりするときに、やったりすることはありますか?
島守:ドラマ観る!(笑)かな。あとはラジオ聴く!英語学や言語学の勉強が一日の大半を占めるんだけど、その次くらいにやることは、ラジオを聞いたりドラマを観たりする時間かな。なかなかラジオって面白くて。かつてはラジオがメディアの中で廃れつつあった。それこそ深夜ラジオ番組にスポンサーがつかない頃があったそう。
でも今、ラジオが一つのブームになっていて、例えば、radikoというアプリができたことでスマホで自由に聴けたり、ライブや公演をやって若い世代のリスナーを引き付けたり。ラジオが単なるメディアの媒体じゃなくて、文化にもなりつつあるのかな……ていうことをメディア論で学べると思いますが、僕は素人の知識を話しているので当たっているかは分かりません!ただ、こうやって世の中のちょっとしたところで人文学部での学習内容がつながると面白いですよね。
中村:まあ、プライベートのことにもつなげられる人文学部……
島守:(笑)ちょっとまとめるの、苦しかったでしょ!どうなの?人文地理学は?
中村:自分は人文地理学が趣味と合うので、旅行中にも地理学的に論争的主題になるかなと考えたりしますね。
島守:地図を見て……
中村:地図もそうです。地理学って広くて、いわゆる観光地理学とか食べ物系とかをやったりする人もいます。本当に幅広い。交通地理学も。
島守:へえ。地形とかも?
中村:何でも地理に結びつきます。もちろん、地形的に見ることもありますし、歴史地理学もあります。
島守:言語地理学って言う分野もあるよね?
中村:例えば方言の分布を地理学的に考える、とかですね。だから、自分に合った分野だと思います。
島守:「人文学部の学びって浮世離れしている」と思われがちだけど、自分にとっては実学だと見いだして楽しめたら、それはそれでいいと思う。あと、授業外の学びという点で、研究室によくいるのは環境が整っているということもありますが、他の研究室・合研の学生とのつながりが大事で、他の分野の色々な人が頑張っている様子を見て、自分も頑張ってみようかな、と励みになります。
高校では、どれだけ得点できるかが中心でしたが、大学では他の人と話して意見を共有して、「へえ、こういう考えもあるんだ」という感じで学ぶと思います。学部4年間で様々な出身・分野の人と関わっていきたいです。英語学や言語学の授業しか出ていませんが、授業外でも一緒に頑張れる仲間がいると楽しいです。

中村・大学に慣れて、やりたいことを見つけよう!
島守:専修が決まっていない共通課程の1年次の学生に対して、授業や大学生活でアドヴァイスしたいことはありますか?自分の大学生活を踏まえて……
中村:まず、学校に慣れましょう、かな。
島守:慣れる!
中村:やっぱり大学と今までの小中高との違いを考えたとき、今まではクラスがあって自分の席があったけど、それが急になくなる。自分のクラスないし、自分の席ないし。しかも、周りには県外の人いっぱいいるし、授業のたびに人変わるし。
島守:なるへそ。大きな違いだよね。
中村:そのギャップは確かに結構あると思いますので、まずはそれに慣れることです。そして、これを踏まえて人文学部のいいところを一つ上げるとするならば、2年次からプログラム・専攻に分かれるので、1年次のときの入門講義で色々な分野の内容を聞けることです。
自分も1年生の段階では、入門講義を聞いて、心理学か社会学か地理学をやろうと、若干の迷いもあったんだけど、1学期の「人文入門」と「人文系フロンティア」、2学期のプログラムごとの講義を聞いて、それらを踏まえて最終的に地理学を選びました。旅行が好きなので巡検がある地理学は合っていました。だから、必ずこの分野をやらなければいけないと、1年生の時から焦って入学する必要はないと思います。入門講義を通して自分は何をやりたいのかを見つけられるといいと思います。
島守:そうだね。なかなか僕みたいに「英語学やりたい!」っていう一途の思いで入学してくる人はあまりいないのかもね。だから、色々触れられる機会でいいよね。1年生の時、履修した授業で刺激的なものはありますか?人文学部以外の授業でもいいよ。
中村:いや、GコードとHコードは切り分けて考えていたので、逆に全く(専門に)関係ない、社会で生きていくために必要になりそうなもので「生命保険を考える」などを履修しました。
島守:それはそれで、自分の専門とは関係なく……
中村:関係なく、でも自分の教養を深めるということかな。
島守:なるほどね。それこそ、1年生は専門も決まっていなくて、慣れてもいない段階で授業を選ばなければいけないからね。大変だよ。
中村:まあGコードはシラバスを読んで、何となく興味のあるのを取れば、そんなに失敗しないと思います。キーワード検索もできますし。
「人プロ」の活動方針について
島守・有限たる4年間に選択肢を
中村:2024年度代表を務めて、改めて「人プロ」の役割と今後に期待することを、簡潔に。
島守:「人プロ」の役割ね……学生や授業の様子は一人一人違うわけで、しかも有限たる4年間の中だから、こんな人もあんな人もいるよ!という選択肢を在学生に共有する役目でありたいと思います。それはブログや動画、イベントなど、いろんな形式がありますが、1つの理想像を示すのではなく、奇麗ごとでまとめたいというわけでもありません。
学生が発信するので、自由な発想でやればいいですね。リアルな大学生活が波及効果として、高校生や学外の方に伝われば、より人文学部の魅力が発信できると思います。もちろん、自由にやってもらって、毎回ちょっとずつ変えてみてもいいのかなと思います。やってみて、ダメだったら止めればいいわけだし、うまくいけば、続ければいいわけだし。4年間で色々挑戦してみてもいいのかな。
それこそ、7月の同窓会での発表のとき、学部の形式よりも自分の体験や所感を中心に発表を構成し直したことで、終わった後に話を聞きに来てくれた方もいて、いい経験になりました。……何話してるんだか、分からなくなった。
中村:だから簡潔にって言ったでしょ。
島守:要は、何か型にはまるのではなくて、各々の専攻分野を発信してみるなど、やってみたいことを大事にするといいのかなと思います。「何か創り出そうぜ」というマインドを持ち続けていこう!

中村・活動を広めて交流を盛んにしたい
島守:2025年度の「人プロ」の活動でやってみたいことや挑戦してみたいことはありますか?
中村:ニつあって、一つは広く「人プロ」について知ってもらうこと。もう一つが、「人プロ」内での交流を盛んにすること。一つ目に関しては、もちろん、対外的に学外の人に知ってもらうこともそうだし、学部内も「人プロ」の活動について広く知ってもらいたい。何かイベントするときに、活動が広く目に留まるようにはしたい。
島守:そうだね。
中村:新1年生のガイダンスで紹介したり、チラシを配ったりして、少しできることはやっていこうかなと思います。
島守:記事も一般の学生が書けますからね。なかなかメンバーも偏りがあるので、他の学生にも関わってほしいね(興味のある方、ぜひご連絡ください!)。
中村:でもう1個、メンバー内の交流に関しては、さっき島守さんが言ってましたけど、いろんな分野ややりたいことがある大学生が集まっているので、お互い刺激を受け合えるよう、積極的に交流会を開催したいと思っています。
もちろん、「人プロ」として記事を書いたり広報としての役割を果たしたりしなければならないけど、大学で学べることはいっぱいあると思うので、そういう意味から色んなイベントをメンバー内でも活動できたら楽しいかなと思います。
島守:僕も、みんなとわちゃわちゃしながら過ごす時間が純粋に楽しかったです。今後もこの交友を大事にしていきたいですね。

◎中村 快 / Kai NAKAMURA
新潟大学人文学部在籍。専門は人文地理学。2025年度コーディネーター。
◎島守 快聡 / Eddie H SHIMAMORI
新潟大学人文学部在籍。専門は言語学。2024年度コーディネーター。
追記:「個人的に2024年度ベスト記事は「出会った人たちとコミュニティーに感謝~2024年度卒業生 はるさん」です。在学時の楽しかったことも苦しかったことも懐かしく語り、今の生活に繋がっていることを伝えてくださった様子が印象的でした。自身の大学生活を改めて考える機会になったと同時に、卒業後に彼女と同じような姿でありたいと思っています。」