「未来世代への責任」~人プロ代表交代のご挨拶~

2022年度は熊谷(人間学4年)が代表を務めてきましたが、卒業に伴い渡邊(言語文化3年)に2023年度代表をお願いする運びとなりました。今回は2人にそれぞれコメントを寄せてもらい(主に熊谷ですが…)、代表交代の挨拶とさせていただきます。

2022年度代表 熊谷よりコメント

大学の情報を発信することは教員や大学職員にのみ課せられた使命でしょうか?私は違うと思います。むしろ学生が当事者意識を持ち発信していくべきでしょう。私たち在学生が大学入試を控えていた時、いろいろなメディアを駆使して新潟大学人文学部の情報を探したはずです。公式サイトにとどまらず、TwitterやInstagramなどの各種SNS、果ては怪しい掲示板サイトまで見ていた人もいるのではないでしょうか。形はどうあれ、私たちは先の世代の残した情報を頼りにこの人文学部へたどり着きました。

しかし、後の世代へ記録を残そうとする意識を持つ人はあまり多くないように見受けられます。確かに、単位を取得し卒業論文を執筆するのは学生として大事なことですが、我々が受けた恩恵を何らかの形で未来世代へ繋ぐこともまた大事なことだと私は考えます。大学選びに迷う高校生のために、またゼミ選択や履修科目に悩む下級生のために何かを残す「未来世代への責任」が私たちにはあります。

また別の視点として、少子化が進み大学の定員割れが起きていることも憂慮すべきことの一つです。現に少なくない大学で定員割れが経営難を引き起こし、大学の存続自体が危ぶまれる事態も起きています。そして人文系の学部は再編という名の縮小を迫られていることも事実です。

こうした背景を鑑みれば「我々が何を学び、どう考え、こう役立つと思った」と対外的にアピールすることが必要ではないでしょうか。そして、それは現在進行形で学んでいる在学生の「生の声」が有効でしょう。人プロが学生目線での発信を大事にしている基礎付けがここにあります。

さて、先ほど「責任」という言葉を使ってしまいましたが、この言葉をあまりネガティブに受け取らないで欲しいです。日本語での「責任」という響きはしばしば良くないイメージを想起させますが、元となったドイツ語「Verantwortung」には「誰か相手に向かってはっきり言葉にすること」という少し違ったニュアンスがあります[1]。自らにずしりとのしかかるものではなく、相手に向かって何かを伝えるパワーのようなイメージが当てはまるでしょうか。

人プロはあくまでも「主体的な」活動を行っています。誰かに強制されるものではなく、人文学部のココが良い!と思ったら自発的に行動し、未来世代に向けて何かを伝えるアクションをしてみてください。人プロのみんな、1年間ついてきてくれてありがとうございました。


[1] 出典:戸谷洋志『ハンス・ヨナス 未来への責任─やがて来たる子どもたちのための倫理学』慶応義塾大学出版会, 2021.

2023年度代表 渡邊よりコメント

人文学部日本・アジア言語文化学専攻の渡邊です。この度2023年度の代表を務めさせていただくことになりました。明るく楽しく元気よく、有意義な活動が出来る団体を目指していきます。これからどうぞよろしくお願い致します!

熊谷(左)より渡辺(右)へ記念品が手渡されました

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