英語で学びを深める~新潟大学語学案内 第2弾「アカデミック英語入門」

英米2年の島守(Eddie)です。今回は英語科目「アカデミック英語入門」について取り上げます。この科目は初修外国語(=第2外国語)の分類には入りません。しかし新潟大学人文学部では必修となっています。大学の英語の授業の内容や高校までの英語科の授業との違いなどをご紹介していきます。大学に入学してからの英語学習はどのようなものかを知っていただけたら幸いです。

「アカデミック英語入門」の学修の流れ

後期週2回の授業のうち、1回はReading、1回はListeningの授業になっております。1クラス40人程度の少人数で開講されていますが、このクラスについては入学試験の英語科の結果によって編成されます。今回は筆者が属していたクラスをベースにご紹介しますが、クラスによって内容が若干異なります。

Reading Section

週に一回の1単位です。テキストの英文を読み、語彙や文法を復習したり読解演習を行ったりします。たまに小テストをやったり、オンラインでの課題が出されたりします。毎週テキストの予習は必須です。

テキストの内容は「美の概念」や「都市の発展」、「祈りの意味」など多文化論に関するもので構成されています。人文学部の学修・研究に近い内容です。とは言っても前提知識がなくても理解できるので、教養の幅が広がったと感じています。

単に和訳ができるだけでなく、トピックに対して筆者はどのような見解を示しているのかを読み取ることを必要だと感じました。復習では音声を聞きながら、もう一度テキストを読み返し理解を深めました。試験は和訳や単語に関する問題、内容説明が問われました。

Listening Section

週に一回の1単位です。ネイティブ教員によって行われました。リスニングといっても海外の大学の講義の一部を視聴します。このクラスでは積極的にグループで会話をしながら内容を確認しあったり自分の意見を述べたりしました。単に「聞く」だけでなく「話す」ことも多かったのでコミュニケーション能力を高める機会になったと思います。

テキストの内容は現代の諸課題をテーマににした構成になっています。「言語」「歴史」「食品化学」「ビックデータ」など、少し専門用語が出ることがありますが、これも説明を聞き取って理解します。

海外の大学の講義は単なる会話と違って、内容が複雑です。その時に大事になることは「ノートを取ること」。こうすることで後から振り返るときに情報をまとめやすくなります。この授業でもノートをとる練習ができます(リスニングにお困りの方、是非を試しを)。

実際に使用したテキストです。webで音声をダウンロードできます

履修者の声を聴いてみました。

➤ 「入門英語L」および「入門英語R」の授業を受けてどう感じましたか?

  • 高校までの英語の感覚を思い出す良い機会だと感じた。
  • 学力別にクラス分けされており、自分のレベルに合った内容、仲間と学習することができる。人文学部は必修科目のため、英語を必然的に学ぶ環境が整えられている。
  • リスニングは「聞く」ことを中心にしながらも話したり書いたりするので総合的に力を伸ばせる。
  • コミュニケーションで英語を使うのではなく、英語で学びを深めることができるところがアピールポイントだと思います。

レベル別のクラス分けがなされていますので、概ね満足しているようです。単に「英語を聞く」「読む」という技能を使うのではなく、「聞いて、意見を話す」ように複合的に学んでいくことが特徴です。

➤ 「入門英語L」および「入門英語R」を受ける前と後で変わったことはありますか?

  • 高校の英語に近いところもあったので英語力が引き続き鍛えられた
  • 高校生のときよりも専門性の高い文章を読んでいると思います。日本語で書かれていても少し難しいような内容もあるので、英語の読解能力だけでなく今まで自分が知らなかった分野の知識を得ることができました。
  • Lに関しては、英語を実際に話す機会が高校よりあると感じる。Rは高校でのコミュニケーション英語とあまり変わらないと感じる。

文法や語彙は高校までにほぼほぼ完成しているので、解説は高校までの授業に似ているという意見が多くありました。しかしそれだけでなく、より専門性を追究するテキストやリスニングした後のアウトプットが高校までの授業と異なると感じているようです。

ここから先、英語で書かれた論文や文献を読むといった機会が増えてきます。その時にこの科目でブラッシュアップした読解力が生きてくるはずです。これからも更なる向上をめざして学習してゆきたいと思います。

補足・関連リンク

人文学部の必修である英語科目は本科目だけですが、より高度な英語力を得たい!という方はコミュニカティブ・コースや「TOEFL iBT」「IELTS」対策講座、EAP(*)などを履修することができます。詳細はこちら(新潟大学 全学英語ポータルサイト)を参照ください。 

*EAP…English for Academic Purposes. The teaching of English for people who are using English for study, but whose first language is not English. (Oxford Learner’s dictionaries)

またアメリカやオーストラリアなどの英語圏の国の大学へ留学するチャンスもあります。長期・短期やプログラムの内容も様々です。詳細はこちら(新潟大学「海外への留学」)を参照ください。

なお、人文学部では数年前まではTOEICの受験を必須としていましたが、現在は実施していないとのことです。

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