1年の瀬川です。これを読んでいる高校生の皆さん、もう初修外国語は決めましたか?
まだ決めていないそこのあなた!焦ることなかれ。この記事に出会えた君はもう大丈夫。これを参考にして選んでみてくださいね。
もう決めたそこのあなた!今一度、先輩の声を聞いてみませんか? 初修外国語の選択は熟考の価値ありですよ。
さて、新潟大学は外国語教育が充実しています。人文学部では初修外国語として、「中国語・朝鮮語・ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語」の中から自分の好きな言語を集中的に学ぶことができます。今回はフランス語・朝鮮語・スペイン語を学んでいる5名の学生に集まっていただき、座談会を開催しました。選ぶ上で参考になること間違いなしの内容となっているので、気になるところだけでもぜひご覧ください。
なお、中国語・ドイツ語・ロシア語を選択した学生たちが参加した座談会の記事は「こちら」です。
また、大学生の皆さんが読んでも面白い対談になりました。知らない情報がきっと見つかるはずです。言語に興味がある人は尚更ワクワクするでしょう。
それでは皆さん、初修外国語の旅へいってらっしゃい。Bon voyage!

- 日時:2025年12月12日(金)15:00-16:00
- 場所:附属図書館グループ学習室4・5
- 司会:瀬川知也(1年、中国語)
- 参加者:おと(1年、フランス語)・いつき(1年、朝鮮語)・みれあ(1年、スペイン語)・小林聖(1年、スペイン語)・鈴木若菜(1年、スペイン語)
- 記事制作:瀬川知也・鈴木若菜
瀬川:今日の司会をやります。人文学部1年の瀬川です。僕は中国語を取っているので、全く知らない言語の話を聞けるのが楽しみです。よろしくお願いします。じゃあ、いつきから。
いつき:同じ人文学部1年のいつきです。朝鮮語をやっています。
おと:人文学部1年のおとです。選んだのはフランス語です。よろしくお願いします。
わかな:「人プロ」所属1年の鈴木若菜(以下「わかな」)です。スペイン語選択です。ちょっとスペイン語はイレギュラーな部分があると思うんですけど、いっぱいお話できたらなと思います。よろしくお願いします。
ひじり:「人プロ」所属1年の小林聖(以下「ひじり」)です。僕はスペイン語を取ってるんですけど、この2人(わかな・みれあ)とはまた別の先生のクラスになります。よろしくお願いします。
みれあ:ひとりぼっちの経済科学部1年、みれあです。
瀬川:あ、そうなの!?
みれあ:経済です(笑)。スペイン語です。お願いします。
人文学部の様子を他学部生が見たらどんな意見を持っているのか、という趣旨で他学部の学生に参加していただきました。
各セクションの最初の発言に、以下のような言語名がわかる表記を付しています。
(フ):フランス語,(朝):朝鮮語,(ス):スペイン語
選んだ理由は?
瀬川:スペイン語、フランス語、朝鮮語の順番で、その言語を選んだ理由を教えてください。
みれあ(ス):私は選ぶときに簡単なのがいいなと思ったので、ネットで調べたらスペイン語と朝鮮語が出てきて、朝鮮語は取る人がいっぱいいそうで受講者抽選から落ちそうだなと思ったのでスペイン語にしました。
ひじり(ス):消去法みたいな(笑)。リアルな理由で。
わかな(ス):確かにドイツ語、ロシア語は難しい言語の代表…。中国語はなんで選ばなかったの?
みれあ:中国語も、まあ多そうだなって。
わかな:あー、なるほどね。
みれあ:あと難しそう。
わかな:確かに(笑)。なるほどね。私は高校の時の夢として、世界と一緒に仕事をしたいという思いがありました。世界で一番話されている言語とか、そういう広く使われている言語をやりたいと思ったときに、中国語が最初に浮かびました。でも、どちらかというとヨーロッパの言語に興味があったので、ヨーロッパの言語をやりたいという思いもありました。ヨーロッパの言語の中で世界で一番話されているのがどれかなと思ったとき、スペイン語だったので、スペイン語にしてみました。あと、高校の英語の先生に相談したとき、一番おすすめされたのがスペイン語だったので、スペイン語を選んだというのが多分決め手だと思います。
みれあ:真面目だ……。
わかな:真面目?(笑)
ひじり:僕は興味のあるスポーツが野球とサッカーなんだけど、サッカーはブラジルとか南米が強くて、野球はアメリカが強いけどスペイン語圏の人にも選手が多いから、そういうインタビューを聞けるようになりたくて、スペイン語を取ったのが一番大きかったと思います。
いつき(朝):確かに。ラ・リーガ見る?
ひじり:いや、ラ・リーガは見ない。僕、Jリーグのみだから。
瀬川:なんのスポーツ? それ。
ひじり:スペインのサッカーのリーグ。
瀬川:なるほどね。次、フランス語お願いします。
おと(フ):私は真面目な理由と真面目じゃない理由があります。真面目な理由は、高校生の時の「倫理」と「政治・経済」の選択で「倫理」を履修して、そこでモンテーニュやパスカルなどのフランス哲学の話が出て興味があったので、2年次からの分野選択で役に立てばいいなと思ってフランス語を選びました。真面目じゃない理由は、私はゲームをするのが好きで、好きなゲームの1つにフランスが舞台の作品があったから、「この言葉の元ネタがわかるかな」とか思って選択してみました。
いつき:フランスが舞台のゲーム……。
瀬川:ちなみに?タイトルとか。
おと:えっと……ポケモン。
わかな:え!? ポケモン!?
おと:一番好きな3DSのポケモンのゲームで、フランスが舞台になっているところがあります。
わかな:へぇ~。そうなんだ。
いつき:え、待って、待って、待って。え、『ポケットモンスター X・Y』?
おと:X・Y!
いつき:なるほどね。そうだね、X・Y。フランスだよね。
おと:エッフェル塔が立っているのがなかなか良い。凱旋門はなかった。
いつき:カロスやん。
おと:そう、カロス地方。
いつき:プリズムタワーね。
おと:そう、プリズムタワー。見覚えのある言葉がたくさん出てきて楽しいです。
わかな:授業を受けていて面白かった?
おと:楽しいです。建物の名前とか、「あ、こんな意味だったんだ」って。わかって、ワクワクする。
いつき:いいな、そういうの。
わかな:なんか面白いのあった?
おと:ポケモンってポケモン同士で戦うんだけど、その施設に「バトルシャトー」っていうのがあって、「シャトーってなんだ」ってずっと思ってたら、お城っていう意味だった。実際お城みたいな見た目していて。
いつき:え、あれってそういう意味だったの?
おと:らしい。戦うためのお城だから「バトルシャトー(Battle Château)」っていう。
いつき:そういうこと!? X・Yのあれでしょ。川があってさ。
いつき:なるほどね。へー、楽しいわ。
おと:大体そんな感じです。
瀬川:次、朝鮮語お願いします。
いつき:僕が朝鮮語を選んだ理由は、別にゲームとかスポーツとか、哲学者とかでもないです。調べたら、簡単な言語は中国語か朝鮮語かスペイン語で、スペイン語は日本語と発音が似てるけど言語の中で割と難しいって出てきて。俺、英語めっちゃ苦手なんですよ(笑)。
全員:いやいや(笑)。
いつき:本当に苦手だったので、ちょっとヨーロッパの言語じゃない方がいいなと思ってました。もともとこの大学に入りたいと思ったのが歴史を学びたいからで、東アジア史にめっちゃ興味があったので、中国語か朝鮮語のどちらかが必要になるじゃないですか。
瀬川:うんうん。
いつき:それで、ファッションとか美容とか、あとはアイドルとか、韓国の文化に興味があったので、朝鮮語の方が馴染みやすいと思って朝鮮語の方に入りました。
瀬川:なるほどね。
いつき:暗記するのがものすごく得意な人は朝鮮語を割とすぐ習得できると思う。言語的には簡単な方だと思う。発音も英語に近いから。でも、ハングルって、勉強してないとよくわかんないじゃん。だけどハングルの構造さえ知っちゃえば「なるほどね」ってなるくらいすごく簡単だから、とっつきやすいと思う。
わかな:朝鮮語、好意的な意見結構聞いてて。
いつき:ですよね。
わかな:「面白いよ」、「簡単」、「覚えやすい」、「テストもわかる」みたいな話を聞いたことがある。
授業はどんな感じ?
瀬川:次に、それぞれの授業の雰囲気と内容についてお願いします。
わかな(ス):スペイン語どうしますか? 2つクラスありますけど。
瀬川:両方お願いします。
わかな:じゃあ、私たち(わかな・みれあ)の方からいきますか(笑)。スペイン語、先生が2人いるんですけど、こっちのクラスの先生は楽しくやろうねみたいな感じの先生です。雰囲気は……なんて言えばいいかな。
みれあ(ス):ほんわか。
わかなが:ほんわかしている感じ。文法も喋りながら覚えていくことが多くて、ペアワークやグループワークは頻度高いです。スペイン語だけ授業が週3回なんですけど、週3回のうち、スペイン語で何かを話す機会が絶対1回は設けられていて。
瀬川:へえ。
わかな:単語の資料をもらうんですけど、「それを全部覚えてこい」とかは全然言われなくて、「覚えられたら覚えてね」と。あと、文法の解説をするときも、スペイン語オンリーの資料じゃなくて、ちゃんと日本語も書いてくれていたり、ポイントは口頭で言ってくれたりします。課題もちゃんと理解できていれば余裕で答えられるし、解説文もついてるから、それを読んで、わからないときに翻訳して、それを読んで理解して、問題解いて確かめる感じなので、全然厳しさは感じません。あとは、なんだろう。
みれあ:授業中に、前やった単語がみんなわからないってなっても、「あ、忘れちゃったか」ってすぐに流してくれて。
いつき(朝):マジで?
わかな:「わからない」って言っていい感じ。だから、黒板に書いてある文字とか「これなんていう意味ですか」って聞かれるじゃないですか。みんなが「えーっと」って悩んでいると、「あ、わかんないか。そっか、じゃあここは?こういう意味だよね。ここは?こういう意味だよね。だから?」って。学生が「ここはこういう意味ですか」って言うと「おお、すごいすごいすごい!正解正解!」みたいな。めっちゃ褒めてくれるよね。
全員:(笑)
わかな:先生が幼稚園児の相手をすることが過去に多かったらしくて、そういう教育方針なのかなと思います。本当に褒めてくれる先生ですね。
ひじり(ス):めっちゃ受けてみたい。すごく楽しそうだなと思って。ちなみに日本人じゃないの?
わかな:日本人じゃないけど、日本人と結婚している先生で、長い間日本に住んでいるって言ってました。もともと通訳を経験していたらしくて、日本語もペラペラだから、わかんないときは日本語で全部解説してくれます。たまに先生が漢字を間違えたり、「カタカナが難しい」と嘆いたりする可愛らしい様子を見ることがあります。そのような和みポイントも授業の中にありますね。
ひじり:じゃあ、僕の方のスペイン語。僕の先生はメキシコ人の先生で、この前「出張でインドの会合に行ってきます」と言ってた。スペイン語の特徴として僕が感じたのは、英語に似ていることかな。むしろ似すぎて、英語のときにスペイン語の単語で言っちゃうことがある。
わかな:わかる。めっちゃわかる。
ひじり:それくらい似ているかなって。そこは良くも悪くもかなと思う。文法の理解は英語を頼りにしているところがあって、単語が非常に英語と似ています。人文学部は後期から必修の英語の授業が始まったけど、そのときはもうスペイン語の方がしゃべれるくらいになってた。英語の応用版がスペイン語みたいなイメージ。違いは、単語に性別がある。これは多分他の言語もあるのかもしれないけど。
瀬川:そうだね。
わかな:こっちのクラスは教科書が違うので、文化に触れていくところもあります。「アレパ」というスペインの伝統料理があるんですけど、それの作り方が文章で書いてあって、それを並び替える問題をやってみようって言われます。問題を解きつつ、スペインやメキシコの文化も触れてみます。
ひじり:それで言い忘れたのは、うちは毎回10分くらい、アニメをスペイン語で流して、それを見てる。それで、聞けた単語をメモする。でも全然内容わかんないの。『マリオ』のアニメを観たことしか僕は覚えてない。そのような休憩する感覚でアニメを観る時間が私のクラスには毎回あります。
瀬川:字幕はついていないんだ。
ひじり:ないない。でもそれで耳を慣らす感じかな。
おと(フ):フランス語の授業は文法と話す授業の2種類があって、文法の方が日本人の先生で、話す方がフランス人の先生です。授業は先生が用意してくださった資料と、教科書を見ながら進めていて、全体的に緩めです。フランス語ってパッと見だとよくわからないアクセント記号がついていたり、動詞の活用形が本当に多かったりするので、「わからなかったら検索していいですよ」って学生の使っていた翻訳アプリに先生がOKを出してくれました。
瀬川:フランスの文化については触れますか?
おと:フランスの文化は時々授業にちらっと出てくるくらいで、教科書は文法・単語・問題しか書いてません。会話の授業は、先生が誰かと誰かを指定して、教科書の問題を使ってお話しする感じです。それで時々先生が「フランス人はね」ってフランス人について話してくれます。先生が自宅から講義をしていらっしゃるみたいで、始まるのが少し遅れることがあります。Zoomなのに。
わかな:あ、基本Zoomなんですね。
おと:はい。話す方はZoomです。昨日授業があって、ずっと私、「先生はフランス人だからどこか別の国でやってるのかな」って思ってたら、日本語で配達が来ました。「宅配です」みたいなのが聞こえてきて、「日本に住んでるんだ」って。女性の先生で、猫を飼ってるみたいです。これだと授業じゃなくて、先生の説明になっちゃう。
瀬川:テストはどんな感じ?
おと:テストは、先生がやりたいときというか、だいたい学期やタームが変わる区切りくらいにやってます。文法は前日に先生が全く同じ問題を1回解かせてくれるから、わからなくても暗記すればテストはギリ切り抜けられる。会話は前の週に先生が内容を指定してくれます。みんなノートから今まで自分が何を話したかをかき集めて、カンペを作っておしゃべりするというのをやってます。先生方がすごく優しいので、難しくはないかな。わからなくてもその先生が許可を出してくれた翻訳アプリを片手に頑張って書けばなんとかなるので。
いつき:へえ、いいですね、みんな。優しいよ。
ひじり:朝鮮語は?
いつき:フランス語のクラスでは、文法の授業を日本人の先生が、会話の授業をネイティブスピーカーの先生が担当すると言っていましたが、朝鮮語のクラスは役割が逆です。会話や文化の授業を日本人の先生が、文法の授業をネイティブスピーカーの韓国人の先生が担当します。
瀬川:テストは?
いつき:韓国人の先生のテストは文法の暗記だけ。文法を暗記すれば確かにできるんだけど、文法の量が多いから、普段から勉強していることが重要な感じ。
瀬川:翻訳アプリは使えるの?授業で。
いつき:使えない。翻訳アプリや単語帳ではなく、電子辞書か紙の辞書を使うよう指示されています。
おと:必要な教科書は学期の最初に先生が教えてくれるじゃないですか。でも、何の辞書を買えばいいのかは通知されませんでした。誰も辞書を持っていないから、先生が翻訳アプリの使用を許可してくれました。今フランス語の辞書を持っている人は私たちのクラスだとそんなにいないかもしれない。私と私の友達は多分買ってないです。言われてないのに辞書を買うのはお金かかるから。
全員:確かに。
いつき:ちなみにスペイン語は辞書どうしてる?
わかな:辞書はないし、「Google翻訳やってね」って言われます。単語帳欲しいなと思う瞬間もちょっとあるけど、単語がわかんないときは先生に聞けば、「これだよ」って教えてくれるし。「わかんないのか。そっか、じゃあもう1回教えるね」って言われるよね。そっち(ひじり)は?
ひじり:僕のクラスは30人くらいいるんだけど、多分持ってるのは3人くらい。辞書は欲しかったら買ってねという感じだけど、みんな「スマホでいいよね」みたいな雰囲気があって、みんなスマホでなんとかなってるから、持ってない人の方が多い感じ。
わかな:スマホを使えるのが大きい。
みれあ:文明の利器を使って効率よく学習しています。
どんな言語なの?
瀬川:フランス語、朝鮮語、スペイン語の「あるある」。言語としての特徴を紹介してほしいと思います。
いつき(朝):言語としてのあるあるじゃないけど、韓国人の先生、めっちゃ口癖があって。「朝鮮語スタンダード」・「朝鮮語インテンシブ」の授業を取ってる人ならわかる共通の口癖がある。
わかな(ス):思わず言っちゃうみたいな?
いつき:例えば「ですよね」とか言うんだよ。これ口癖なんだよ。なんか言った後に「ですよね」って言うのがある。「プラス点数つけます」とかもある。ここにいるみんなには伝わらないけどある。先生の好きなところ、やっぱ筋トレしてるところかな。韓国人の先生は筋トレがとても好きで、たぶんベンチプレスを 100kg くらい上げることができます。
わかな:え!すご!!
いつき:もっと上げるよ。だって、たまにコスポ(西総合スポーツセンター)にいる。そこの体育館、トレーニングルームにいるかな。言語としてのあるあるっていったら、日本に住んでいて、避難場所とかトイレとか公共施設のいろんなところに朝鮮語とか中国語とか書いてあるじゃん。日本でいうとやっぱり日本語、朝鮮語、中国語、あと英語が書かれてるかな。逆にあんまりフランス語、スペイン語、ロシア語とか書いてないでしょ。だからそれを読める。読めてなんか……。
わかな:ちょっと楽しい?
いつき:トイレで座ってるときに、前に書いてある使い方を見て「なるほどね」って。意味はわかんないけど、読めるだけ。
わかな:音として読める?
いつき:そう。日本だからこそ朝鮮語と中国語の人はそれがあるあるとしてあるんじゃないかな。なんか、読めるよね。
瀬川:読めるね。うれしいよね。
わかな:朝鮮語って日本語と文法一緒ってよく聞くんですけど。
いつき:一緒の部分が大きい。あと、尊敬語が存在する。「です・ます」だけで文法がある。それもそうだし、「~でしょう」とか「~しましょうか」とかそれだけで文法があるから、それを1個1個覚えなきゃいけない。そこがすごく難しいと感じる人はいると思う。覚えなきゃいけない文法の数が多いから。他には、朝鮮語って1つの文字が3つの部分に分かれてたりするんだけど、例えば「カムサハムニダ(감사합니다)」の「ハム(합)」って「h(ㅎ)」と「a(ㅏ)」に「m(ㅂ)」が付いてる。これで3つあって1つの文字なの。下の部分がパッチムって言うんだけど、それがあるかないかで文法が変わる。あとは母音。「a」か「o」かで文法が変わるっていうのがあって……。
全員:えー!?
いつき:「パッチム基準」「母音基準」と呼んでいます。覚えなきゃいけない文法の数が多いから、暗記が得意な人にとってはすごくやりやすい言語だと思うけど、逆に俺みたいに暗記がすごく苦手なタイプだと、応用が利かないから、なかなか厳しい言語かなと思いますね。
わかな:複雑じゃなくても、量が多いとぐちゃぐちゃになったりするよね。日本語と関連付けて覚えることはできるの?
いつき:日本語に即して考えるのは1つのパターンとしてある。日本語を単語ごとに区切って、これを朝鮮語にそれぞれ訳して、朝鮮語の文章を完成させるやり方があるから。日本語と文法が似ている部分が多いからできることなんじゃないかな。「日本語が難しいんです」ってよく韓国人の先生は言ってる。「だから日本人は朝鮮語を難しく感じるんです」って。
わかな:なるほどね、確かに。
いつき:それでいったら英語と日本語は割と別物じゃん。ヨーロッパの言語は日本語と混同しづらくて考えやすい部分があると思う。朝鮮語は日本語と似てるからこそ、混ざっちゃうとわけわかんなくなるから。
わかな:母語だし、余計にわけわかんなくなる?
いつき:そう。だから日本語に即して考えちゃうと、逆に間違ったりする。文法に例外が結構あるから、それはすごく難しいなと思う。あるあるだよね。
瀬川:あるある。スペイン語は?
わかな:スペイン語のあるある……。読みが基本ローマ字読みなんですよね。だから「大学」っていう単語、英語だと「university(ユニバーシティー)」って言いますけど、スペイン語だとスペルがほとんど変わらないんですけど、最後だけちょこっとだけ変わって、「universidad (ウニベルシダッド)」って読むんですよ。
ひじり(ス):「u」を「ウ」で読むんだよね、うちらはそう。
いつき:あ、そうなの!?「ユー」じゃなくて!?
わかな:「ユー」じゃない。だから、「aiueo(アイウエオ)」って読むんですよ。
ひじり:本当にローマ字です。だから、初見でもなんとなく読めなくはない。読むのに関しては。
わかな:内容がわけわかんない社説も、発音することはできます。内容は全く分かりませんが、発音することは可能なんですよね。だから、とっつきやすいっていう言い方はちょっと違うかもしれないですけど、読めてるなという感覚はある。
ひじり:アルファベットもスペイン語と英語はほぼ一緒で、スペイン語が1つプラスであるくらい(ñ)。あと、親しい人に話すときと、あまり親しくない人に話すときとで主語が違う。親しい人には2人称を使うけど、あまり親しくない人には目の前にいても2人称じゃなくて3人称を使うの。
いつき:なるほどね。
ひじり:活用が多くない?そんなことない?1 語で現在形は、主語の単数/複数および人称によって、6つの形があるじゃん。
わかな:あぁ、まあまあ。
ひじり:それが過去形とかいろいろ含めて、1単語で20個くらいあるんだよね。暗記量もそれなりにある気がする。
わかな:でも活用が難しいというか、量は多いけど基本ルールが一貫しているから、「この形の単語はこう、この形の単語はこう」というふうに、規則だけ5個くらいパッと覚えれば、あと全部埋めていけばいい。パズル作業みたいな感じかなと思ってる。
ひじり:そこも英語と近い。規則の変化する動詞と、不規則の変化する動詞があるから。
わかな:英語は現在分詞になったら「ing」を、過去分詞になったら「ed」をつければいいじゃないですか。スペイン語も一緒で、「過去形のときはこういう形にすればいい、命令形のときはこういう形にすればいい」というのが決まっていて、それが1人称、2人称、3人称それぞれ単数複数という6つの種類がある。それさえ覚えてしまえば。
瀬川:他に何かありますか?
わかな:英語をしゃべっているときにスペイン語の単語をぽって言っちゃう。
ひじり:僕も言っちゃったことある。
わかな:この間英語の授業をしているときに、「university」を「ウニベルシダッド」って読んで(笑)。英文を読んでいるときも、英語読みしなきゃいけないけどローマ字読みが出て「ん?」ってなる。
いつき:それでいうと朝鮮語はマジで真逆だな。スペイン語は日本語と発音似てるんでしょ。
ひじり:そうだね。
いつき:朝鮮語は全然似てない。「ア(ㅏ)、ヤ(ㅑ)、オ(ㅓ)、ヨ(ㅕ)」はわかりやすいから母音は確かに日本語と似てるんだけど、子音が全然似てない。どちらかというと英語に近い発音してるから、日本人だから発音しやすいかといったら、全然そんなことない。なんなら日本人の方が発音しづらいと思う。
わかな:日本語としての癖がちょっと出てきちゃうみたいな。
いつき:そうそう。最初から割と読めるでしょう。フランス語もなんとなく。
おと(フ):フランス語は、母音がちょいちょい変わるので、なんとも言えない。発音できないことはないけど。「e」がそのままだと「ウ」なんだよ。でも、上にアクセント記号がつく(é)と「エ」になるから、パッと見た状態で読むのが難しい。あと、母音が2個並ぶと読みが変わるから、「oi」で「(ォ)ワ」って読む。いろいろ変わるし、前の単語が子音で終わってたら繋げて読むこともある(リエゾンという)から、なかなかパッと見て読むの難しいかも。
「é」は「café」に使われていますね!
いつき:なるほどね、朝鮮語は文字を覚えることから始まるから、そこも違う。
全員:そっか!
いつき:文字を読むことから始める。
わかな:中国語の簡体字って……?
いつき:実際どうなの。「我是日本人(ウォーシーリーベンレン)」ね(「私は日本人です」の意)。
瀬川:(学習者の意地を見せつけるように流暢な発音で)「我是日本人」。漢字は親しみやすいと思う。ただ発音記号(ピンイン)から勉強する。でもそれはアルファベットを使ってるから、朝鮮語の方が大変だと思う。
例えば「豊」の簡体字(简体字)は「丰」。ピンインは「fēng」。香港や台湾で使われている繁体字(繁體字)だと「豐」。それぞれ同じ形をしている漢字(例えば「言」)もあれば全く異なる漢字もあります。
いつき:俺らは文字とその発音をまず覚える。さらに、文字と文字を組み合わせて、母音と母音を組み合わせた複合母音があって、そういうのがずらっとある。だから文字数は確かに日本語の五十音に比べたら少ないけど、覚えなきゃいけないことは本当に多い気がする。
ハングルは基本となる母音10文字、子音14文字の計24文字から成ります。その24文字を組み合わせることでたくさんの文字を作ることができます。
わかな:フランス語はアルファベットが基礎にある?
おと:基礎は英語と同じでアルファベットなんですけど、さっき言ったアクセント記号が曲者で、大体は母音に付いて、5種類あります(「é」、「è」、「ê」、「ë」、「ç」)。あと、基本的に「h」は書いてあるだけで発音しないんですよ。だからうっかり読みそうになる。他の友達にもあるあるないか聞いてみたんですけど、「半過去形」というのがあって、いろいろ活用があるんですよ。さっきスペイン語で言ってたのと同じで、フランス語も語幹の後ろに活用語尾をつけるんですけど、それも1人称、2人称、3人称、それぞれの単複で綴りが違うんですよ。「(ils) aient」(英語の they have)ってなんて発音すると思います?
全員:「アイエン」? 「エーント」? 逆に「t」を発音しないとか? 「エーン」みたいな。
おと:これで「エ」。
みれあ(ス):みじかっ!
おと:最後の子音を発音しないのはそうなんですけど、最初聞いたとき、「さすがにそんなわけなくね」って思った。
わかな:「ient」の部分いらない…。
おと:「後ろの3文字くらい抜かしても良くないか」みたいな。発音がちょいちょい変わるから覚えるのがなかなか大変。
ひじり:ちなみにスペイン語も「h」は原則として発音しない。「病院」は英語は「hospital(ホスピタル)」でスペイン語は「hospital(オスピタル)」。そこだけ気をつければ、なんとかなるかな。
わかな:字だけ見たら、何となく意味がわかることもある。
みれあ:英語と似てる。わかりやすい。
ひじり:「多分これじゃないかな」みたいな推測もできなくはない。
わかな:そう考えると、多分スペイン語は結構簡単。
ひじり:簡単だなと思った、聞いてて。
みれあ:アクセント記号も1個で、ただ強く読めばいいだけ(「´」)。
ひじり:確かに。
わかな:アクセント記号ついてるところを強く読むか、あとはもう語尾の音に対して、多少ルールがみたいな。
瀬川:なるほど。
ひじり:あと、肯定文と疑問文の区別として、イントネーションだけで対応するのがスペイン語。英語は「It is good. 」が疑問文だと「Is it good? 」になるじゃん。でもスペイン語はどちらも語順は同じで、語尾を上げるか、下げるかで意味が変わるから、そこをうちの先生はすごく気にしてる。「それだと肯定文になっちゃうよ」とか、「今の言い方だと疑問文になるよ」とか。
わかな:イントネーションは結構日本語にもあると思う。「知ってる↘」って言うのと、「知ってる↗」って聞くのだったら異なるので、感覚的には難しくないと思います。
おと:フランス語にもありました。平叙文に「?」をつけるだけでも疑問文になるんですけど、他にも「倒置疑問文」と「est-ce que 疑問文」というのがあるんです。さっき言ってたのを思い出したけど、フランス語にも性別があって、これまで習ってきた動詞と一致させなきゃいけなくて大変でした。
わかな:アジアの言語の人々が頭ポカンですけど(笑)。
おと:英語の「a」とか「the」とかみたいな冠詞も性別によって違いがあって。英語のofに相当する前置詞deは「ドゥ」とは発音します。それに男性単数形や複数形の定冠詞leやlesが後続すると、duやdesに縮約されます。合体して別のモンスターになるみたいなことが平気で起きるから、もうパッと思いつくわけないよって(笑)。ノートの枚数がどんどん増えていきます。
いつき:なるほどね。朝鮮語は文字の「H脱落」、「R脱落」、「ウ脱落」があります。簡単に言うとフランス語の「h」の発音がなくなるのようなこと。
おと:フランス語でもそういうことある。子音の次に母音が来たら繋げて読んだり読まなかったりする。
わかな:繋がりはスペイン語でも結構ある。
ひじり:日本語に近いよね、スペイン語。「単語と単語の間を空けて発音しない」みたいな感じで繋げて読むのがスペイン語ですね。
おと:フランス語あるある、なんだろう。私は母音の発音がそうだと思いますけど。さっき言った「e」を「ウ」じゃなくて「エ」って読んじゃって先生に指導される。
全員:指導される…?
おと:1回やったんですよ。学期が明けた頃に話す方の授業でみんながこぞって「エ」って読むから先生の指導が入ったことがあって。英語は「e」が「エ」だから、それにつられて「エ」って呼んじゃって。フランス語で「私」は「je」って書いて「ジュ」って読むんだけど、みんな「ジェ」って読むから指摘されました。
もし選びなおすなら?
瀬川:皆さんがもし初修外国語を選びなおすなら何語を選ぶかについてお話していただきたいと思います。
ひじり(ス):ちなみに今の話を聞いて、どう思う?
瀬川:今の話を聞いたらスペイン語一択かなと思うけど。アジアの言語を取ってるから、アジアの言語の方が簡単かなと思ってたけど、話聞いたらスペイン語も意外と簡単……。
わかな(ス):簡単といえば簡単。英語がちゃんと理解できていればヨーロッパの言語は余裕。
瀬川:ならスペイン語で。英語大好きです。
みれあ(ス):私は今の先生ならスペイン語がいい。今の先生が優しいからこのままでいいなと思います。
わかな:私はアジアの言語だったら、朝鮮語をやってみたいと思う。音が難しいという話だったけど、ちょこっとだけ解説を聞いたことがあって、「全部アルファベットに直して読んじゃえば結構簡単なんだよね」みたいな話も聞いてたんで、ちょっと大変そうだけどいけなくはないかなと。
ひじり:僕はスペイン語をもう1回選ぶかな。授業関係なしに言語として選んで正解だったと思う。それこそ最初に言った外国の人のインタビューを聞けるようになってきてると感じるから、意味あるなと思うし。
おと(フ):私は全部から(ドイツ語・中国語・ロシア語を含めて)選びなおすんだったら…。もともと哲学に興味があったんだよね。最初ドイツ語を第1希望にしてたら、希望者が多すぎて受講者抽選から落っこちちゃって、フランス語に入ったので、選びなおせるならドイツ語かなと思う。でも、さっきの話を聞いたら、やっぱり朝鮮語がいいかな。私、応用は苦手だけど、暗記は得意なので、それだったらいいのかな。
いつき:春休みの2カ月間で朝鮮語の勉強をしてみるのはどう?多分3級くらいなら余裕で取れるよ。
おと:どうだろう。
いつき:みんな多分それなりに言語に対するやる気があると思うから、ちょっと資格欲しいってなったときに多分1、2か月勉強すれば余裕で資格取れる。本当にこれは朝鮮語ならでは。それこそ暗記でどうにかなるから、勤勉な方ならいける。なんなら人によっては英語より取りやすいんじゃない。
おと:資格試験に会話(スピーキング)のセクションがなかったらやってみようかな。
いつき:ほぼ筆記。主に2個あって、英語でいう「TOEIC」みたいな「TOPIK」ってやつと、もう1個「ハングル能力検定」っていうのがあるんだけど、それぞれ違うから自分が合いそうな方を調べてみてやってもいいんじゃないかな。朝鮮語の教材は様々な書店やオンラインショップで売られています。
おと:ゲームの誘惑に負けなかったら挑戦してみようかな。
瀬川:そんないつきは?
いつき:僕ですか!?習得難易度を抜きにしたら朝鮮語じゃなくて中国語をやりたかった。それはやっぱり自分が学びたい歴史に関係あるから。アジアの中で「中華思想」というのがあって、日本も漢字という文化はそもそも中国から入ってきたものだし、朝鮮語にも漢語というのがあって。例えば「料理」という言葉は、日本語で「リョウリ」って言うけど、朝鮮語だと「(リ)ョリ(요리)」って言って、中国語はなんだっけ。
瀬川:「リャオリー(料理)」
いつき:そう、似てるんです。それ全部漢語だから似てて。その元となるという意味で中国語やっておけばよかったなと思った。
高校生が選ぶ基準は?
瀬川:それでは最後に、高校生が選ぶときにどういうところを基準にしたらいいかについては、どうお考えですか?
ひじり(ス):興味だと思う、やっぱり。
全員:そうだね。
ひじり:モチベーションがあれば多分なんとかなる。そんな気がする。
いつき(朝):どれか迷ってる人だったらどの言語が簡単かで選ぶのもアリだけど、それこそ「人プロ」とか大学の中の人たちの生の声を聞いた上で選んだ方が絶対にいいと思います。例えば「中国史やりたいです」、「スペインの文化に興味あります」、「哲学に興味あります」とかだったら、それに合った言語を選ぶのは「興味」に該当するからすごくいい判断だと思う。そうじゃなくて「単位をとりあえず取りたいんだけど、何をしたらいいかわかんないから、簡単そうな科目を履修登録する」で選ぶのは絶対やめた方がいい。そこには罠がある。
わかな(ス):これは私の選び方でもあるんですけど、世界で話されている人口が多い言語を選ぶのは安牌だと思うんですよね。将来どんな職種に就こうとも、例えば中国語はサービス業でも金融業でも、どんなところに行っても、絶対何かしら扱う可能性があるじゃないですか。個人的な意見として、人って大体3言語くらい話せれば世界で生きていけると思うんですよね。そんなペラペラじゃなくても、なんとなく意味がわかって、なんとなくしゃべれれば。あとはパッションです。
おと(フ):そう考えると、フランス語ってなかなか使い道がないな。
わかな:フランス語は専門的な話をするときにすごく役に立つと思う。
おと:そうなんですかね。私は本当に自分のモチベーションのためだけに安直に選んだところがあって、将来のこととか全然考えてなかったから。でも、お菓子の缶に書いてあるフランス語は読めますよ。お菓子屋さんって、大体フランス語にするから。そういうふうに日常での楽しみが増えるのがいいところかな。さっきおっしゃった通り多言語に向けた注意書きが読めるとちょっと嬉しいな。「ミルフィーユ(mille-feuille)」も「ミル(mille)」が「千」で「フィーユ(feuille)」が「葉っぱ」で「千枚の葉っぱ」という意味らしいし、ちょっと楽しくなる。私も先生に教えてもらって初めて知りました。知ってる単語が出るとグッとモチベーションが上がるので、そういうふうな気楽な選び方でもいいかなと。やっぱり興味が一番大事。やる気があれば大体なんとかなるから。
みれあ(ス):入ってみれば何とかなる。
ひじり:ただ簡単だからで選ぶんじゃなくて、「新潟大学の授業だとどうだろう」というのは意識した方がいいと思ったから、今回の話はすごく有意義だったんじゃないかな。
ひじり:このブログを見れば、以前よりはある程度わかるようになったかな。
わかな:「人プロ」ってどこで知りました?
いつき:俺、受験生のときに、インスタで見つけてフォローして、そこからいろいろ情報を得てたんです。
新潟大学人文学部学生プロジェクト(@shindai_jinpro)・Instagram (https://www.instagram.com/shindai_jinpro?igsh=bXhlMWI0Y3F0Y2t1)
瀬川:この座談会は今年初だからね。
いつき:俺らだけじゃなくて、もっといろんな人の意見を聞くのもいい。
わかな:先人の知恵を。
瀬川:面白い話がたくさん聞けたところで、そろそろ座談会を終了しようと思います。皆さんありがとうございました。
全員:ありがとうございました。
瀬川:話し足りないことあれば、最後にどうぞ。
おと:フランス語を履修してください。
いつき:来年、朝鮮語、一緒に頑張ろうね。
ひじり:週3でちょうどよかった。まあ来年も授業あるけど。
スペイン語は1年次に週3で、2年次に週1で学びます(「スペイン語スタンダード」)。他の言語は1年次に週4で学びます(「~語インテンシブ」)。詳細はこちら(新潟大学・初めて学ぶ外国語案内)。
わかな:スペイン語、学びやすいよ。

Bon retour!
フランス語のBon voyage! に対応して「おかえりなさい」と言いたいときに使えるらしいです。直訳は「良いお帰りを」。よく見ると英語の「return」に似ていますね。
このように私自身も記事を書きながら勉強になったことがたくさんあります。この記事が皆さんの初修外国語ライフの一助となれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました!