留学のここが大変~連載「ボーフム便り Hallo aus Bochum!」第3回

皆さんこんにちは! 「ボーフム便り Hallo aus Bochum!」第三回担当の今川です。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの大学生活が充実したものになるよう、陰ながら応援しています。私もあっという間に4年生になってしまいました。おこがましいことは承知の上ですが、何か一つ助言をするならば、大学で学ぶことや出会う人や好きなことを大切にしてください。

ドイツ語を話せるのって楽しいと思ったから留学に繋がったり、授業で横の席になった子に誘われて入った部活がとっても楽しいもので、友人が増えたり。些細なきっかけを粗末にしなくてよかったな、と心の底から思います。この留学記が、何かに挑戦する皆さんの後押しになれば幸いです。

前置きが長くなってしまいましたが、今回は、今後留学を考えている方に特に読んでもらいたい内容です。テーマはずばり、留学中に起こったトラブルです。過去の私の記事を読んだ方には、留学楽しそう、クリスマスマーケットを満喫できていいな、と感じてもらえているかと思います。

でも実際には大変なことも山ほどあります。むしろ初めの方は楽しいことの方が少ないです。大変なことがあると分かっていれば多少は構えていられますし、自分と皆さんへの教訓としてお話できればと思います。

ホームシックに悩まされる

初回の記事では触れなかったのですが、留学開始から約一か月半はかなり弱気でした。時差のせいで話したい時に日本にいる人と話せないことに、相当ダメージを食らっていました。寂しすぎて日本に帰りたくて毎晩泣いていました。私はこの弱さを少しでも減らすために、留学での目標を紙に書き、部屋の壁に貼りました。

その一部には「人生でみたらわずかな一年。貴重な時間を楽しむ。」と書きました。留学に行けるのは当たり前ではない。後々振り返ったらいい経験だったなと言いたい。そう言い聞かせました。わざわざ異国の地で辛い思いして強くなろうとしてる自分偉すぎ、と時には自分を全力で褒めるのもかなりいいですよ!

時間を合わせて電話している時間が、今でも一番の心の支えです。正直な話、今でも日本に帰りたいと毎日思っています。でもそれはネガティブな気持ちからではなく、一度離れたからこそ日本の良さや、自分を支えてくれている人たちの大切さがわかったから。早く恩返ししたいから会いたい、と日々思っています。

語学コースの抽選に落ちる

冬学期は、語学コースが人気で定員オーバーだったため、抽選にはずれて私の席が用意されませんでした。「ドイツ語を学びに来ているのに、語学コースに行けないって意味なくない? 自分の周りの学生は皆受けられるのに、なんでよりによって私だけできないの? 」と抽選落ちのメールを受け取った時は、困惑と焦りでいっぱいでした。

異議申し立ては受け付けない、という内容の文章も添えられていたのでそのまま何もできませんでした。そんな時、日本語を学んでいる学生たちの食事会に、招待していただきました。そこで初めて出会ったドイツ人の学生に事情を説明したら、それなら私とタンデムしよう、と言ってくれました。

タンデムとは一対一で、お互いに学びたい言語と母語で勉強をすることです。週に一回、ドイツ語で話す時間と日本語で話す時間を45分ずつとり、会話したり小説の翻訳をしたりしています。最近では家で一緒に料理をしたり、アニメを見たりする仲になりました。この友達に今もとても助けられています。

また、新潟大学に留学していた学生たちとも週に一回会い、タンデムをしています。授業に出られなかったのは残念ですが、たくさんの人とご縁に支えられ、楽しくドイツ語の勉強ができているので、感謝の気持ちでいっぱいです。

不正引き落としに遭遇する

これは、ドイツに来て一番意味不明でした。ドイツで作った銀行口座から、謎の945ユーロ(日本円で約15万円)の引き落としがありました。私はこれほど高額な支払いはしていないので、驚きました。すぐにドイツ人の友達に連絡して、一緒に警察署に行き、事情を代わりに説明してもらって書類を作成してもらい、銀行に提出して、返金してもらいました。

この手の事件は最近多いらしいですが、結局犯人は分からないままだそうです。このような形でドイツの警察にお世話になるとは思ってもみませんでした。こんなこともあるかもしれない、と頭の片隅においてもらえるといいかと思います。頼れる現地の友達がいてよかった、と改めて感謝する出来事でした。

閉鎖口座の開設に手こずる

そもそも閉鎖口座とは、ドイツでビザや居住許可証を得るために、充分な財政的資源を証明するのに必要な銀行口座です。11月に大学として留学生全員が役場に行って、学生ビザを申請しました。その時に奨学金を受け取っていたら、閉鎖口座の減額対象になると言われていたので、正式な通知を待っていましたが、なかなか返事をもらえませんでした。

そろそろ仮ビザの期限が切れる頃になって再度確認してみると、日本円の奨学金では認められないとのことでした。急いで一般の金額で閉鎖口座を開設し、正式なビザを受け取りました。私は恥ずかしながら、留学開始まで閉鎖口座のことについて何も知りませんでした。

留学開始前に日本にいてもネットで閉鎖口座を開設できます。ドイツに半年以上の留学を考えている方は、ぜひ事前の準備をおすすめします。


いかがでしたか? これが、私がこの半年で経験したトラブルです。大変そうだな、海外って怖いなと思わせてしまったかもしれません。しかし、今ではこんなこともあったなと笑えています。トラブルも日々の生活も周りの人に支えられてばかりで、私はなんて人に恵まれているのだろうと思いますし、感謝しかありません。

もちろん楽しいこともたくさんあります。2月と3月には、オランダで美術館巡りをしたり、Anja Hopf先生のご実家に行かせていただいたり、日本から友達が来てくれて一緒に旅行したりしました。総じて、楽しいことも大変なことも、どれも今ここでしかできない体験だと思っています。帰国まで思いっきり楽しみます!

写真は、Hopf先生のご実家にお邪魔した際に撮影したものです。素敵な時間をありがとうございました。

手作りのケーキと紅茶やコーヒーをいただきました。とてもおいしかったです!

ここまで読んでくださりありがとうございました。また次回お会いしましょう!

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