英語学の島守(Eddie)です。この度、私はオーストラリアに留学しました。ポストコロナ期に移行しつつある中での留学体験をシェアしたいと思います。留学を通して学んだことを皆さんに知っていただき、興味を持っていただけたら幸いです。
記事の目次
留学することを決めた理由
今回のオーストラリア留学に参加するにあたって、私のこれまでの経験と今後の展望を考えました。そして、本プログラムに参加することで貴重な体験ができると思いました。
まず経験について、私は英語教育を行なっている幼稚園に通っていたので幼い頃から英語に触れてきました。これまで身につけてきた英語力を英語圏の環境で試したい気持ちがあり、留学したいと思っていました。現地の生活やQUTでの授業を通して、英語コミュニケーションのスキルをより高度なものにできるのが、このプログラムの特徴です。
また今後の展望について、私は人文学部の英語学を専修しています。私はこれまで言語としての英語の学習をしてきました。しかし言語の研究をする上でその言葉が話せる・理解できることだけが重要でなく、背景となる文化や自分とは異なる習慣を持つ人々の考え方を知る必要があります。
オーストラリアは本プログラム名にあるように「多文化共生社会」であると聞きますがどのような文化が存在するのか、多文化共生とは具体的にどのようなことかなどに疑問に思いました。現地でのホームステイを通して、文化や生活について理解を深める機会になるのも本プログラムの魅力の一つです。
「多文化共生社会体験 in AUSTRALIA-S」について
新潟大学の留学プログラムの一つです。2022年度実施についてまとめます。
- 期間:2023年2月18日~3月18日(4weeks)
- 場所:Brisbane, Queensland, Australia(クイーンズランド州ブリスベン)
- 大学:Queenzland University of Technology International College
- 参加人数:22名(学部諸々、1~3年生、人文学部からは2名)
- 内容:(1)現地家庭にホームステイ (2)QUTのGeneral English Courseを受講
コロナ禍以降初めての、現地渡航型での実施になりました。コロナ禍以前も実施していたプログラムで本来は5週間の予定でしたが、今回は4週間の実施でした。なお、このプログラムはGコード科目です。
渡航前の申し込み・準備は10月下旬から始まりました。留学交流推進課の担当の方がサポートくださるので、着々と進めることができました。事前研修も数回用意されています。また、申請すれば奨学金が支給されます。
General English Course @QUT
QUT collegeにて英語の授業を4週間受講しました。私が渡航した2月中旬はオーストラリアの大学は新学期にあたります。よって世界各国から多くの留学生が集まります。留学生の多くが受講するのがGeneral English Course。最初にPlacement Testを行い、クラス分けがあります。
私が参加したクラスには新潟大の学生若干名の他に、日本の他大学の方、中国や韓国出身、サウジアラビアで数学を教える先生などが受講しました。日本人が多い中でありましたが、授業回を重ねていくうちに国籍問わず英語でコミュニケーションできるようになっていきました。
授業の内容はReadingやListeningはもちろん、Writingをして教員の添削を受けてリライトしたり、あるトピックに対して自身の言葉で話すSpeakingの練習をしたりしました。終盤ではグループをつくって偉人を紹介するPresentationもしました。
また私が新鮮に感じたのは文法の学習です。解説はもちろん、英語で行われます。これまで日本語で理解していた英文法を英語で理解することにより、より細かなニュアンスの違いを知ることができました。練習問題を解いた後はペアやテーブルで解答を確認しあったり、積極的に質問しあったりする学習スタイルは日本の教育とは違う感じがしました。英語で自分の意見を伝えようという意識が高まったと思います。
QUTの先生方はとてもフレンドリーです。日本に興味を持っている先生も多く、授業後や休憩時間もクラスメイトとたくさん話しました。この何気ない会話が結構楽しいものです。中には新潟大学の学生が他国からの留学生に日本語を教えている様子もありました。
オーストラリア家庭でのホームステイ
現地の家庭にホームステイすることもこのプログラムの魅力の一つです。しかし今回は最初の4日間ほどはホームステイ先が決まらず、ホテル滞在を経験しました。現地のホームステイ需要が高まる中、Covid-19の制約もあり供給が間に合わなかったという事情です。
こんなハプニングが起きましたが「ホテルもホームステイも体験できるってラッキーじゃん」と捉えました(笑)。最終的には新潟大の参加者全員ホームステイを始めることができました(JTBの方には感謝いたします)。
私が滞在した家庭はインド系のファミリーでした。夕食はインド料理(に近い料理)をつくってくれることが多かったです。日本とは異なる食文化を体験することができたと思います。週末にはファミリーでMonopoly(カードゲームの一種)のルールを教えてもらいながら、やってみました。
またホストマザーは仕事で忙しい中でも、毎日夜話す時間を取ってくれました。1日の出来事を話したり、日本のこと・Brisbaneのことを共有したりしながら、会話を楽しみました。日本にいる時に日本のことを話す・外国のことを知る機会はなかなかありません。これも異文化体験につながったと感じています。
Living in Brisbane
私たちが渡航した2月のBrisbaneは、南半球は真夏です。暑い日々が続きました。BrisbaneはQueensland州の中心都市です。様々な観光地やショッピングモールが集まっています。博物館・美術館やガーデン、観覧車、フェリー(City Cat)、イートストリート、モートン島、コアラ…これらの場所にはバスや電車などの交通ネットワークがありますので移動は楽だと思います。
Gold Coastにも行きました。Brisbaneからバスで1時間ほどかかります。QUTで知り合ったクラスメイトと行きました。現地で仲良くなった友達と出かけることができることも留学してこそ体験できるものです。Gold Coastには景色がきれいなビーチやSky Pointという展望台があり1日満喫することができました(と断言したいのですが、実際、私が行った日は昼頃から豪雨になりました(^^;)。
またQUTは2月が新学期なのでサークルの Welcome Party(所謂新歓)もあります。私はQUTのサークルのイベントにいくつか参加しました。ここでも日本各地・世界各国から来た学生と交流することができました。Brisbane Libraryにて主に母国語が英語でない人が集まり会話するイベントもにも参加しました。貴重な海外生活でいろいろ参加してみることで、新たな出会いや発見の連発でした。
現地での食事について、フードコートやストリートに行くと様々な国の料理が並んでいます。日本でも見かけるファストフード店や本格中国料理店、日本と様子が少し違う寿司チェーン店などなど。物価は日本よりも高いです。ウォーターペットボトル1本$3.2。これには最初驚きましたが、帰国してからは逆に日本のものが安く感じ、これまた驚きました。
留学を通して感じたこと
留学することで、語学的な面で大きなアドバンテージを得ることができます。自身を完全に英語が話される環境に置くことで、生活するために・授業を受けるために英語を使わなければならない。その点では留学はとても有効な手段かもしれません。
語学力の向上だけを目的にしていれば留学しなくても日本にいながらできることはあります。しかし留学をする価値はその先にあると思います。語学力を充実させ、現地での出会いや発見に刺激を受けること。そして留学後の人生を豊かにすること。今回の研修を通して国籍の異なる人と交流することの楽しさを味わい、異なる文化を通して自分の世界観が広がったと信じています。
また他者と会話を交わすことへの自信にもつながりました。実際、私が帰国してすぐのことですが、海外から来た方に成田空港から品川までの道のりを尋ねられました。東京に慣れていない私なので「品川どこ?」と思ってしまいましたが、最終的に駅の窓口まで案内しました。こんなことができたのは「話せる!」という自信があったからだと思います。
また海外に行く機会・長期の留学をする機会があるかは分かりません。しかし有限たる大学4年間の中でのこの体験に後悔していません。得られた「世界観」「自信」を今後の学生生活やその先の将来につなげていきたいです。
Thank you to all people who joined this program with me, who helped me to go abroad, and who I met in Australia!
新潟大学留学プログラムの紹介
新潟大学では短期・長期ともに各種プログラムを用意しています。英語圏にはアメリカ、イギリス、オーストラリアなど。西洋諸語圏にはフランス、ドイツ、など。さらにアジア圏には中国、韓国、台湾など。大学・学部で提携を結んで交換留学制度もあります。
長期の場合、単位互換制度もありますので休学手続きなし(=卒業の延期なし)で海外の大学で学ぶことも可能です。短期の場合、長期休業期間を利用した渡航になります。今回ご紹介いたしました「多文化共生社会体験 in AUSTRALIA-S」は10月ごろに参加説明会があります。Covid-19が流行していた頃はオンラインプログラムが主流でした。現在は徐々に現地渡航型が復活してきている状況です。
詳細は新潟大学学務部留学交流推進課に尋ねるかホームページをご覧ください。