「意外となじみのある言語」~新潟大 語学案内 第3弾「ドイツ語」

言語文化学プログラム3年の西潟です。語学案内第3弾の今回はドイツ語を取り上げます。

今回の記事ではドイツ語の特徴などについて紹介していこうと思います。講義の基本的な部分は他の言語と変わらないので、講義の様子は新潟大 語学案内 第1弾「フランス語」をぜひご覧ください。

とっつきにくさのある言語ではありますが、この記事を読んでドイツ語学習に興味を持っていただけたら幸いです。

ドイツ語の特徴

  • 文字:英語と同じくアルファベットだが、öやäなどドイツ語独特のものがいくつかある
  • 発音:基本的にはローマ字読み
  • 単語:名詞に男性、女性、中性、複数形の4つの種類があるのが特徴。英語と似ているものもある。
  • 文法:英語に似ている部分もあるが、ドイツ語独特の文法もある。動詞、形容詞、冠詞の活用がある。
  • 実用性:EUの公用語の一つ。約1億2500万人がドイツ語を第1,第2言語としている。

名詞の性や動詞、形容詞の活用などなじみのない部分もありますが、英語と似ている部分もあります。発音に関してはローマ字読みで発音するので、もしかしたら英語よりも簡単かもしれません。

ヨーロッパで重要な言語のドイツ語ですが、実は私たちの生活の中にもドイツ語は紛れ込んでいます。例えばバウムクーヘンは、「木」を意味するバウムと「ケーキ、焼き菓子」を意味するクーヘンが合わさった語になります。ほかにも、吹奏楽をやっていた方であれば、音階のABC読みはドイツ語読みだったりするんです。

実際の文章

ここで少しだけ実際の文を読んでみましょう。

  • 独:Ich esse eine Orange.
  • 読み:イヒ エッセ アイネ オラーンジェ
  • 日:私はオレンジを食べる。

と、こんな感じになります。主語はichで「私」、動詞は「食べる」という意味のessen。この動詞を主語に合わせて変化させてesseになります。文構造は英語と同じですが、やはり動詞の変化が最初は大変かもしれません。慣れてくると自然にできるようになるので練習あるのみです。

Orangeはオレンジという意味の単語ですが英語のorangeと同じですね。また、名詞には性別があると書きましたが、Orangeは女性名詞で、女性名詞につくeineが冠詞としてくっついています。eineは英語のaと同じような意味だと思っていただけるといいかと思います。

ドイツ語を学ぶと何ができる?

ドイツのいろいろな作品に触れることができる

文学作品でいうと、ヘッセの『少年の日の思い出』やカフカの『変身』あたりが有名でしょうか。ドイツの文学作品は暗く重いと思われがちですが、妖精が出てくるようなファンタジー作品も結構あったりします。

ドイツ語歌詞の音楽を理解できるようになるのも魅力です。日本ではあまりドイツのポップスは有名ではありませんが、耳なじみのあるメロディーが使われている曲も多いのでいろいろ聞いてみると面白いと思います。

上にはあげてませんが、題名の通り水の精が登場する一押し作品です (『水の精』フケ―著 識名章喜訳 光文社 2016) 

日常生活の中のドイツ語が理解できる

先ほどバームクーヘンの例でも挙げましたが、ドイツ語は皆さんが想像している以上に日本の中に潜んでいます。食べ物の名前だけでなく、会社の名前や、アニメ・漫画作品の中にも使われていることがあるんですよ。


ドイツの文学作品も日常の中に潜むドイツ語も、調べれば日本語訳が出てくるものも多いです。ですが、それらに出会ったとき自分で読んで理解出来たらものすごく楽しいと思いませんか? 自分の翻訳で言葉や作品を理解できることはきっと、あなたの世界を広げてくれます。

検定試験、留学について

検定

ドイツ語も英語検定のように検定試験があり、一年間学習すればドイツ語技能検定3級合格のレベルまで達することができます。年に2回、夏と冬に東京などで検定試験が行われます。

留学

ビーレフェルト大学やボッフム大学などに留学できます。ドイツでの留学の様子は「ボーフム便り Hallo aus Bochum!」で詳しく書かれていますので、こちらもぜひご覧になってください。

留学の会話の練習には図書館で開かれているドイツ語チャットに参加してみるといいと思います。新潟大学にドイツから留学に来ている学生と、実践的な会話をすることができますよ。


いかがでしたでしょうか。ドイツ語の雰囲気を理解していただけたでしょうか。

新しい言語を学ぶということは新たな世界を知ることだと私は考えています。この記事を参考に、ドイツ語を学んでみたいと思う方が増えたら幸いです。

参考文献

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